• 2 / 11 ページ
 黒金の竜の呼び声に答えるように、【銀河眼の光子竜】が現れる。
☆8【銀河眼の光子竜】ATK3000

「いきなりこれか。 中々やるやん自分」

「俺はカードを2枚伏せてエンド」

 カグラの称賛を無視し、アルデスはターンを終えた。

アルデス:LP4000 手札2
カグラ:LP4000 手札5
「よっし、俺のターンや!」

 勢いよくドローするカグラをアルデスは見詰めていた。
 まるで品定めでもするかのように。

(異世界のデュエリスト……どれほどの実力だ?)

「そっちも本気みたいやし、こっちも出し惜しみは無しや! 【大嵐】!」

 フィールドに嵐が吹き荒れ、アルデスのカードを根こそぎ吹き飛ばす。
 攻撃反応型の罠が破壊される。

「ヒュー危ない危ない。 よし、フィールドにモンスターがおらへんから【フォトン・スラッシャー】特殊召喚。 さらに【フォトン・クラッシャー】召喚」

 カグラのフィールドに次々と現れる光輝く戦士達。
☆4【フォトン・スラッシャー】ATK2100
☆4【フォトン・クラッシャー】ATK2000

「攻撃力が2000を超えているモンスターが2体……まさか!?」

「そのまさかや! 行くで相棒!」

――銀河創造の雄叫びを上げよ!

「【銀河眼の光子竜】!」

 2体のモンスターを犠牲に顕れたのは、アルデスと同じ光の竜。
 カグラのエースモンスター。
☆8【銀河眼の光子竜】ATK3000

(ドラゴン族サポートも使わずに銀河眼を1ターンで出してくるとはな)

「うっし、バトルや! レダメに攻撃“破滅のフォトン・ストリーム”!」

 膨大な量の光の束は、黒金の竜を包み込み、破壊する。

アルデス:LP3800

「くっ、ダークネスメタル……」

「これで邪魔もんはおらんようなったな! どっちが真の銀河眼使いか思い知らせたるわ!」

 アルデスのデッキはドラゴン族であり、銀河眼を主としたデッキではないのだが。

(面白くなってきたな)

「そして俺は【銀河の煌めき】発動や。 俺の場に銀河眼がいるとき、フィールドの光属性モンスターの数だけドローする! フィールドには俺とお前の銀河眼。 2枚ドローや!」

 カグラは銀河眼を召喚するために消費した手札を補充する。

「カード、2枚セットでエンドや!」

アルデス:LP3800 手札2
カグラ:LP4000 手札1

「俺のターン、ドロー」

アルデスはカードをドローすると、モンスターを召喚する。

「俺は【竜明王―ヴァジュラ】を召喚し、効果によりデッキからレベル8の【竜明王―クーベラ】を墓地に送る」

 憤怒の表情を浮かべる竜明王が出現し、墓地へと黄金の竜明王を墓地へと送った。
☆4【竜明王―ヴァジュラ】ATK2000

「そして墓地へ送ったモンスターのレベル以下のモンスターを手札から特殊召喚する。 現れろ【竜明王―バジリス】」

 ヴァジュラに導かれたのは、頭に王冠のような模様がついた蛇のような竜だった。
☆6【竜明王―バジリス】ATK2400

「バジリスが特殊召喚したことにより、俺はカードを1枚ドローする」

「お、なんや強そうな竜がぎょうさん出てきおったわ」

「フンッ、バトルだ。 行け銀河眼“破滅のフォトンストリーム”!」

 アルデスの銀河眼は、途方もない熱量の光線を同族に向かって放った。

(まあ、奴がどう出るかは考えなくても分かるが)

「知っとるやろうが、銀河眼の効果でお互いを除外する“ギャラクシカル・アウト”!」

 その瞬間、2体の光竜の姿は無かった。
 次元を越える強大な力が発動したのだ。

「これで、お前を守る僕は居ない、終わりだ」

「おっと!? それはごめんやわ罠【銀河の流れ】を発動。 光属性が除外されたとき、除外された奴と同名のモンスターを特殊召喚するで!」

「同名だと!?」

「せや! 来いや2体目の【銀河眼の光子竜】!」

 攻撃体勢に入ろうとしていた竜明王達の前に、燦々と輝く光竜が顕れた。
☆8【銀河眼の光子竜】ATK3000

「何故2枚持っている!?」

 銀河眼は数ある異世界でも希少なカードだ。
 アルデスの持つ銀河眼も『全ての始まりの竜』の復活の鍵になっていたり、貴重な役割を担うほどに。
 
「真木波君に5連敗してから、銀河眼の能力に気付いて、次元越えた世界から奪ったんや」

 さも当たり前のように言うカグラ。

「奪った……だと?」

「当たり前やがな。 俺を誰やと思ってんねん。 怪盗のカグラ様や。 奪うのが仕事なんやで」

 胸を張るカグラに、アルデスはため息を吐いた。

(これはまた厄介な奴に渡ってしまったな)

更新日:2014-09-28 23:03:43

  • Twitter
  • LINE
  • Facebook

『遊戯王-round-』外伝 怪盗カグラの珍妙な冒険