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「尖ちゃん!こっちこっち!」

「…デカい声で呼ぶな。」

駅近くの喫茶店に
俺は従姉の巴に呼び出された。

松本巴。
父親方の従姉で,今年26だっけ?
茶髪に巻き髪,派手な化粧
まだまだ寒いっつーのに
短いスカート。
典型的なイマドキの女。

巴の正面にはスーツ姿の30歳位の
眼鏡を掛けた男がいた。

俺は巴の隣に座った。

接客に来た店員に
アイスコーヒーを頼んでいると
待ちきれないと言わんばかりに
巴が言った。

「尖ちゃん!大きな仕事よ!
 この方,●●社の方なんだけど
 新創刊される雑誌に
 尖ちゃんに専属モデルを
 お願いしたいって!」

目を輝かせて巴が言った。

「…専属?」

相反して俺は眉を顰めた。

更新日:2011-10-25 20:35:32

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