あらすじ
田舎のしがないお巡りさんオマタヒトトセ。彼はある日、遠い星からやって来た、クロイツと名乗る自分にそっくりの人物に出会う。
彼はオマタが自分のクローンで、訳あって彼の遺伝子を書き換えに来たのだという。クロイツと助手のシヲンの理解不能な行動に流されっぱなしのオマタだったが、いざ遺伝子を改変されそうになったとき、その怪しげな雰囲気にその場から逃げ出す。
しかし逃げ出したオマタの前に現れたのは、自分を殺そうとする見知らぬ男達。そして、オマタのピンチを救ったのは怪しい行動ばかりしていたクロイツだった。
星からの追跡者である彼らとの戦いの中で、オマタは自分がクロイツの弟で、魂を消す一族「ウィルド」であることを知る。そして、クロイツが一族の力を持たないオマタを、ウィルド虐殺の起こった星から逃がすために、その記憶を変えてまで地球に送ったことをも知ることになる。徐々に過去の虐殺の記憶を取り戻すオマタ。
そしてその中で、恋人の死や、錯乱状態で兄を殺そうとしたことを思い出す。追跡者を撃退したクロイツは、一族の力を使い彼らの魂を天に送る。オマタはその光景を見て、死んだ恋人や家族の魂など、世界の全ては廻り巡っていることを確信して、遠い星に思いを馳せた。
あらすじ
病院の中で繰り広げられる。未来の物語。
冬の空の下、言葉を交わした二人は偶然の再開を果たす。彼は彼女に三人の子どもを紹介する。一人は元気いっぱいの男の子。一人は物静かな女の子。一人は本の好きな小さな男の子。
彼女が、いつものように三人の所へ遊びに行こうとすると…優しい嘘は時に人を傷つける。
その事を知りながら、彼は嘘をつくす。
タイトル
with dragon of the snow
あらすじ
冬の日に出会ったドラゴンと少女の物語。変わらないものもある。だけど日々は常に変わっていく。
かけがえのない大切なもの。生きていくことのおもさ。二つの心は……
あらすじ
中央アジアの小国トゥルグスタン。NGOのナースとして派遣された、バツいちの翠璃(みどり)は、人質としてテロリスト達に誘拐されてしまう。
けれども政府軍とゲリラとの戦いが激しくなり、将軍の命によってゲリラの若者サリムと偽装夫婦に化けて逃亡する。ゲリラだがサリムはどこか品があり、そしてインテリでもあることに徐々に翠璃は気づき出す。けれども二人は互いに道中喧嘩ばかり。その内にサリムは由緒正しい家柄で、そしてエメラルド鉱山を政府軍に取られて家族を虐殺された過去を持つこと分かってくる。
果たして二人の逃避行は? そして次第に理解しあい、そして愛し合うようになる二人の行く手に待ち受ける困難、残酷な運命とは?
最後には爽やかな、どこか救われる終わり方をする社会派冒険ロマンスです。
あらすじ
気弱な中年男の稲月克美は恐妻の命を受け、最近隣に出来た食堂を訴えるため、新宿に位置するとある法律事務所を訪ねた。
ところが、うっかり目的の法律事務所とは別の法律事務所に入ってしまう。そこにいたのは、冷蔵庫のような体と嚴つい顔に、なぜかつぶらな瞳をした、小犬丸長介という弁護士だった。
間違いに気づいてすぐに断りを入れようとした稲月だったが、元来の気弱さが出て、思わず依頼をしてしまう。
その後も、自宅までの道中で小犬丸にさんざん振り回される稲月だったが、なぜだかいやな気はしない。それどころか、長年どれだけ変えようとしても変えられなかった、心の深奥に内包していた感情が徐々に表に現れる始末だった。
あきれかえるほど本能のままに行動する小犬丸、おどおどしながらもすべてに納得させられる稲月。知らぬ間に小犬丸のペースに乗せられていった稲月は、ついには心の殻を破り、長年自分が思い描いていた理想像に生まれ変わることに成功するのだった。