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ちぎれた翼
ひよりは、自分が犯した致命的なミスに気が付き、頭の中が真っ白になった。気絶から覚めたかの様にしばらくの無感覚から、現実を理解する事の出来る理性が戻って来るのを感じながら、「あぁ、このまま無感覚でいたいのに・・」と思ったが、残忍な現実を理解出来る理性が、しっかりと起きて来るのが分かった。「どうする。。」自分の過ちのもたらした結果がどうなっているのかを確かめたい思いと、そのまま逃避したい誘惑が襲う。パンドラの箱というのを来た事があったが、このスイッチをこのままあの海に投げ込んでしまえば、永遠に誰にも知られないで住むのではないか。。それとも直ぐに対処すれば、被害も自分が犯したこの致命的なミスを最小限に食い止める事が出来るかも知れない。今の世の中で、バレない完全犯罪等無いと聞いた事がある。いや、しかし、まだ、自分が犯罪者と決まった訳でもない。パンドラの箱と思っているこの蓋を開けると、もしかすると何も問題は起きていなくて安心出来るかも知れないではないか?出来ればそう願いたい。ひよりは、はじめて自分以外の誰かに判断を仰ぎたくなった。正しい判断ではなくあくまでも自分にとっての最善を教えてくれる誰かをだ。この一大事に、そんな事を判断出来る知人は自分にはこれまで誰もいなかった事を今さらながら思い起こし大きな溜め息とともに、「どさっ」とひよりは砂浜までまだ遠い閑散としたかつての住宅街の路地に力なくひざまずいた。アスファルトに打ち付けた膝が時間と共にじんじんと痛みを増す。血は出たであろうか・・と静かに右の手を膝にあてる自分に、自分は、まだ動けると客観的に思った。「よし」ひよりは、腹を決めた。
連載中
14ページ
1127
Deen A
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