霧立つ世界より –al Atardecer-

(序章より)

―歪みはやがて、亀裂となり、亀裂はやがて、歴史のうねりとなり、うねりが大きく運命をねじまげていく…    Lawen R.S. Gottsched

月のない夜。
星々の瞬きさえ見られない闇夜。
あちこちに設置されているガス灯の光もいつの間にか消され、生きとし生けるモノの存在は全く感じられない。

遠い遠い、東の国のとある街。
家の中の灯りも消え、人々が寝静まった頃、誰もいない夜の街でソレらは活動を始める。

そう、
今宵は新月の夜。
月無き絶対なる闇が全てを包み込み、生者の目を欺いていく。

夜は死者の為の時間。

死してなお、死にきれない者達が闇夜の街を徘徊するという。
真夜中に家の外からおぞましい地獄からの叫び声のような声が聞こえてくる。

かの街は、死者の蘇る街と呼ばれている。

しかし、実際に死した者達を見たモノは誰も生きてはいないと言う。

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ただいま編集中です。
こちらもごっそり話が変わってしまうことがあるかもしれませんが、よろしくお願いします。

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