ノンプレイヤーキャラクター紹介

 ロールプレイング・ゲームのシナリオを読むのが好きです。特にノンプレーヤーキャラクター(non player character,NPC,以下NPCと略す)の説明に心惹かれます。短い伝記を読んでいるようで、とても面白いのです。
 本作品はNPCの説明っぽい何かを志向しました。ここに記されているのは架空の人物ですがモデルがいます。ロシア人バレエ・ダンサーで亡命者で俳優のアレクサンドル・ゴドゥノフ(アレクサンダー・ゴドノフ)です。私は彼を映画『ダイ・ハード』で知りました。その生涯が、なかなか劇的だったので「これはネタになる!」と思い虚構を交えてNPC紹介風に書いてみたのですが、執筆前に思っていたより低レベルになってしまい、とても失望しています。
 彼のWikipediaを参考にした結果、ウィキそのまんまになってしまったかな、というのが反省点の一つ。主人公の祖父や両親に多くの文字数を費やしてしまったので肝心の本人に関する言及部分が減少しバランスが悪くなっているように思えるのも残念です(私は『SPY×FAMILY』でも目指していたのでしょうか)。主人公の関与した謀略&破壊工作を書かないと迫力が出ないのに、それを詳しく書くのは面倒という筆者の怠惰な姿勢も問題です。文章化が煩わしいのなら箇条書きにする等の時短テクを思い付かなかったのは愚かでした。
 他に思ったことを書きます。アレクサンダー・“カール”・ゴドゥノフの表記方法が正しいのか自信が持てなかったので、執筆開始前に色々と検索して映画『トップガン』続編のウィキペディアに漂着したのですが、そこに『トム・“アイスマン”・カザンスキー』の記載があり『・“カール”・』で間違っていないんだな、と安堵した直後に驚かされました。ヴァル・キルマーは咽頭癌で声を失っていたのですね。ブルース・ウィリスの失語症もショックだったので、何とも切ない気持ちになりました。そんな中、別の記事でトム・クルーズがヴァル・キルマーの続編出演を強く主張したというエピソードを読んで、胸が熱くなりました。男気あるなあ、というのが率直な感想です。無念の最期を迎える『ER救命救急室』のグリーン先生の息子を続編のキーマンに据えるところといい、泣かせてくれますね。あざとい手法と言えなくもないですが、トム・クルーズがスターであり続ける理由が分かったような気がします。