紅兎

日本神話をモチーフにした、ロリータファンタジー。 和邇雨一族に支配された幽国神領。この地では、兎神子と呼ばれる少年・少女達に、諸社領の領民相手に春をひさがせ、産まれた子を、皇国名家の養子に出す風習が続けられていた。 鱶見本社領の社にも、男女十二人の兎神子が暮らしていた。 此処に、『名無し』と呼ばれる、新たな宮司が赴任する。 神領の棟梁嫡子として生まれ、過酷な人生から自ら名を忘れた彼は、失われた子供時代を取り戻すべく、兎神子達に、束の間の子供らしい暮らしを過ごさせようとする。 一方… 諸社領の社では、黒兎と呼ばれる兎神子の少年達が、白兎と呼ばれる兎神子の少女達を解放するべく、暗殺組織『紅兎』を結成し、革命の時を伺っていた。 革命阻止を願う名無しと、彼を頭目にと願う紅兎達。 やがて彼らは、東西冷戦を背景に、占領軍と神領支配者達が密かに建設した、核弾頭基地を巡る諸大国の陰謀に巻き込まれてゆく。

目次