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小説

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★【118】ツバメのように(原稿用紙100枚)

 この物語はユーミンの《ツバメのように》を、リスペクトして創作された物語です。

大学4年生になり周囲が就職活動に動き始めていた時に、遥斗はそれまでの自分の生き方とは全く違った選択をしようとしていた。教師だった両親には大学で教職課程を履修しておくようにと遥斗は言われていたが、教師になる積りがなかった遥斗は履修していたかった。今まで周囲が流れていく中に自分の身を置き続けてきていた遥斗が、初めて両親に対して自分の意思を示そうとしていた。

遥斗と同じ大学のゼミに所属していた夏美は、大学入学時からずっとゼミの同級生である航太と周囲から公認の付き合いを続けていた。ところが大学4年生になり航太がいきなり夏美に《就職活動に専念したいし、社会に出てからも忙しいだろうし、暫く距離を置いてそれらのことに集中したい》と切り出した。

夏美の風景の中に突然後ろ姿しか見えなくなった航太に、それ以上辛い思いをさせたくないと思った夏美は自ら《サヨナラ》の言葉を航太に投げ掛けた。

ある日ゼミ室で2人きりになった時に、航太が遥斗に大学卒業後の進路について話を切り出した。航太は大学卒業後大手新聞社の新聞記者になり、将来は地元の代議士の秘書になるつもりだと話した。

それだけでなく大学卒業後はその代議士のお嬢さんと結婚を前提とした正式な付き合いをする話まで遥斗にした。遥斗は夏美との関係が気になったので航太に確認すると、先日夏美の方から《サヨナラ》を告げられたので好都合だったと遥斗に話した。更に夏美の母親が2年前に自殺していたことに理由に、航太の両親も夏美との付き合いを止めるように言われていたとの余計な話まで航太は付け加えた。

遥斗が大学入学した時からずっとアルバイトをしていた出版社に就職活動をしていた夏美が姿を現し、偶然社内で遥斗は夏美と出逢った。 
遥斗は思わぬ成り行きから、航太と夏美のすれ違った互の想いを知ることとなった。それだけでなく夏美の母親の自殺の原因が、想いを寄せていた男性が離れていったことだったのも知らされた。

そんな夏美が気になった遥斗は、夏美が指定したツバメの巣のある喫茶店で初めて2人きりで話をした。

果たして《ツバメのように》空に向かって飛び立ってゆく夏美の姿は、遥斗の元素だったのか・・・?