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小説

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★【109】夏のレムナント(原稿用紙100枚)

ここで描かれる物語は、20歳の時に夢に向かって突き進んだ主人公の過去と現在との狭間で悩む姿の中で進んでいく。過去がセピア色の世界となっていない主人公が、どのように現在と折り合いをつけていくのか。

主人公暢之は20歳の大学生時代に友人たちと組んだフォークソンググループで、運良くヒット曲♪夏のレムナントを出すことができた。だがその楽曲の作詞を担当した暢之は、すぐにそのグループを脱退していた。

音楽活動を止めた暢之は、偶然に出会った出版社の人に《物書き》になるためにアルバイトをさせてもらうようになっていた。そんな暢之はそのアルバイトを続けていく中で、小説家冨樫と出会い彼のアシスタントとして事務所兼カフェで働くようになっていた。

時は流れ60歳になっていた暢之のもとに、大学時代に同じグループで活動していた真人が突然現れた。真人はちょうど長年勤めていた会社を定年退職したばかりで、今度懐かしい昔のヒット曲を歌う催し物に暢之も一緒に出ようと誘いにきたのだった。

正直真人が過去を懐かしむように話すことに違和感を覚えた暢之は、真人からの申し出を断った。40年ぶりに真人と再会した暢之は、暢之と同様に60歳になっていた真人のように昔を無邪気に懐かしむことができなかった。

そんな真人の前に24歳の区役所で働く侑里が現れる。侑里は区の催し物で60歳を迎える区民のために《2度目の成人式》をやることになり、その場で暢之に昔のヒット曲である♪夏のレムナントを演奏して欲しいと依頼してきた。

真人と同じように暢之に強制的に過去と向き合わせようとした侑里は、何故かしら暢之が創作した♪夏のレムナントの歌詞に拘っていた。暢之は自分が20歳の時に夢に向かって突き進んでいくために、自ら恋人との別れを選んだ胸の内を歌詞に込めていたのだった。

そんな折にこの40年間暢之がずっと向き合ってきた小説家の冨樫が、急に完全休筆して外国へ移住すると言い出した。自分の将来と真剣に向き合ったことのなかった暢之は、途端に自分のこれから歩むべき道筋と向き合わされることとなる。

果たして暢之は真人からの40年ぶりのグループ復活で、昔のヒット曲を歌うことになるのか・・・?

更には侑里が自らの恋人との別れを、暢之の作詞した内容にどのように重ねあわせようとしたのか・・・?