「水を守る~二人の少女の秘密」

~不思議な叔母さんと二人の少女の秘密~

 小学5年生の陽一は姉のように慕う人・・母の年の離れた妹である叔母さんと本の話をしたり、いろんな場所に出かけたりする日々を送っている。陽一にとって叔母さんは時々魔法のような言葉を発する他の大人とは違う不思議な存在だった。 

 その頃の陽一にはすごく気になる場所があった。それは近所にある古いアパートと、それを見下ろすかのように立っている高台の家だ。
 ある日、アパートから出てきた中年の男と女が封筒を受け渡しするのを見た時から物語が動き始める。 

 陽一は二人の少女、駄菓子屋で店番をしている大人しい小川悠子と金持ちのお嬢さんの香山仁美と知り合う。

 だが、二人の少女はお互いの親から「会うな」と言われている関係だった。

 やがて陽一は小川悠子が義父から虐待を受けていることを知るようになるが、どうすることもできずに悶々とした日々を送っていた。
 小川悠子を義父の虐待から救うべく自分なりの解決方法を模索し始める過程で陽一は二人の少女の秘密を知る。

 物語は途中から陽一の視点と並行して、香山仁美と小川悠子の語りが交互に進みます。

    【シリーズ小説の時系列】

春       「遠野静子の憂鬱」
    ↓      ↓            
夏「水を守る」                
    ↓
秋「水の行方」
    ↓        ↓
冬「水をすくう」 「長田多香子の憂鬱」