シーサイドアベニュー

 瑠実は失恋の痛手から海の見える老舗旅館に一人で泊まりに行った。
 そこで、汐貴に出会う。汐貴はその旅館の跡取り息子だった。
 彼は高校へ通いながらも、家の手伝いをしていた。
 しかし、夜な夜な彼は海岸に出ると闇と対峙していた。彼は実は学者になることが夢だったからだ。それを親に言うことは出来なかった。親の期待が大きく、彼は親を裏切れるほど強くはなかった。
 瑠実は彼の深夜の行動を知って、汐貴に興味を持った。
 瑠実は汐貴との接する度に汐貴の純粋な気持ちに引かれ、彼に引き込まれていった。それはまるで闇に染まった海に引き込まれるようだった。汐貴もまた、瑠実の優しさに心を許していく。
 汐貴の本心を知った瑠実は何とか汐貴を希望の大学に入れるようにと協力する。しかし、大学受験を間近に控え、女将さんに汐貴が旅館を継ぐ気がないことを知り、寝込んでしまう。
 寝込んだ女将さんの姿を見て汐貴は、夢を諦めることを決心する。が、瑠実はどうしても汐貴の希望を叶えてやりたいと行動を起こす。
そして事件は思わぬ展開へ。果たして瑠実の汐貴への思いは通じるのか?こうご期待。

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