「家政婦 遠野静子の憂鬱」

「花言葉に込められた二重の秘密」

 大富豪長田家の家政婦の採用試験で合格した遠野静子は一人娘の長田恭子の専属の家庭教師も兼任することとなった。
 恭子は幼い頃、両親の離婚で母と離れ離れとなり、父も他界し、今では家に寄りつかない継母との二人暮しをしている。けれど、恭子は寂しさを微塵も出さない強い女の子だ。
 そして恭子を優しく見守る家政婦の静子は少し慌てんぼさんだ。
 大きな邸宅での意地悪な継母とのやり取り、授業参観でのおかしな道徳教育、うっかり買ってしまった漫画の雑誌、町の人々との交流、ピアノコンクールなどを通して静子と恭子の間に心の絆が構築されていく。
 
◇印で視点が遠野静子と長田恭子、それぞれ変わります。

    【シリーズ小説の時系列】

春       「遠野静子の憂鬱」
    ↓      ↓            
夏「水を守る」                
    ↓
秋「水の行方」
    ↓        ↓
冬「水をすくう」 「長田多香子の憂鬱」