八文銭

貧乏長屋の八の所に無常の殺鬼という死神が来た。
人が死ぬときに迎えに来る神様だ。
若くて健康な八の所に死神が来たという事も不思議だが寿命に歳は無いので仕方がないとしても、善人の八の所には阿弥陀様がお迎えに来てくださると思っていた長屋の連中は大慌て。
何故なら、
長屋中で一番の善人の所に死神が来て地獄に連れて行かれるなら罪深い私らも絶対地獄行きだ、ブルブルと身震いをする長屋の連中は何とか八の地獄行きを極楽行きに変えられないものか死神にお願いすることにした。

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