音は楽しみを生み出す。

世界は『音』で満ち溢れている。

機械で重ねられた音楽、飛行機が飛ぶ音、心臓の音。
人の故意で生み出されたものから自然と生み出されるもの。
たとえどれだけ音が聞こえなくても、完全に音が止むことなどないのだ。

そんな鬱陶しさも感じる音を愛する者がいた。
その者は車の騒音、人の喧騒ですら慈しみを抱いた。


そして、その愛が『箱庭』を生み出す奇跡をもたらした。



その者を皆は『カリヨヌール』と呼んだ。