官能小説

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R-18

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C3病棟@ R-18

C3病棟@概要

4度目の双極性障害の発作によって措置入院急性期病棟(C3病棟)に強制収容された。
そこで初めて自分を蝕む病気が躁極性感情障害だけではく、多重精神疾患を発祥していることに気づき始める。
国家機関である警察署やマンモス精神病院の実態を肉薄したリアリティーで暴露した。
その患者の葛藤と患者の精神的成長をしっかり見据えた内容とした。
語り手である“俺”がC3病棟に入院するに至った経緯と、入院中の“俺”の内面の変化は、もう一つの人格“風 蘭”で語っており、己との対話形式に描いた。
重度精神疾患発症の“俺”が捉えている精神病院を舞台にしたこともあって、強制的に措置入院させられた主人公が、もう一人の人格に支配されてゆく場面を筆頭に、描写は時にショッキングなほど生々しく描いた。
しかし、恐らく本作で一番強い印象を残すのは、躁発作特有の狂気と自信過剰と根拠のない思い込みのまま加速・暴走させていくことで大騒動に発展し、あくまで自分なりの正義を貫き通した生き方だと言えるだろう。

この一連のシーンは、妄想と現実が曖昧になった奇妙な感覚を再現した。
そしてC3隔離病棟での、躁発作時の全能感で人格交代が行われて、他人格“風 蘭”が発動すると言う“俺”の重篤な精神障害者に対する誤解と偏見を取り除く効果があるのではないだろうか。

強制隔離入院後、“俺”が人格のアイディンティティーを維持・回復させていく上での、人間の精神構造の不思議が大きな役割を果たしている。
利益第一主義の病院で、精神病患者に対する扱いが“俺”がC3病棟の医療関係者達から虐待を受ける原因ともなる。
そして、C3病棟の緊張感の中、目まぐるしく“俺”の心境に変化が現れる。
己の人生に懺悔して、もう一人の人格が形成された理由が解りはじめる。
殺人を試みるが、何れも失敗して自問自答する過酷な環境で“一つの人格で生かされている”ことを悟る。

そして“俺”の魂の再生の第一歩を多重精神疾患者として踏み出すのである。

 特に過酷になって来ている現代社会。社会でも家庭でも精神ストレスに晒されることが多く、
だれもが精神を病む可能性のある時代だけに、精神疾患と向き合って再生し、一般社会を変貌させる”力”を手に入れ、
新たなる可能性を秘めた人間として人生を突き進んでゆく姿を浮き彫りにしようと試みた。

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