記憶の中の想い出

 大学生の時
同級生と恋をして将来を約束した
彼女は短大を卒業して故郷に帰り
私は学部に進学した
遠距離の恋愛が続き婚約までした
私の卒業とともにその結婚という夢が泡のように消えてしまった


 五十年ぶりに大学の門を潜った。
と自分では思っている。
 というのは最近は自身が何者であるかも分からなくなっている。
それでも仄かに昔の記憶があって、同窓会の案内が来た時に喜んでいたらしい。
 それで今を逃すともう思い出すこともないであろう人生の最後を飾るようにと子らが懐かしい大学に連れてきてくれた。