悲しいボディビル大会




人がうらやむまばゆく小麦色に光る筋肉。


すごい筋肉ですねと話しかけた私に、その男はさみしげな顔でこう言った。



「わたしは、笑点のメンバーがかわるたびに、筋トレをしてきた。わたしの筋肉は、笑点のメンバーがかわってきたことの証。悲しい筋肉なのだよ」



わたしは泣いた。泣きに泣いた。


また、わたしは、別の機会に、ムキムキな男に出会い、こう話しかけた。


すごい筋肉ですねと。


その男は、この世の憂いを知り尽くしたようなさみしげな笑顔で、こう答えた。


「わたしは、みんなが呼んでるあだ名があるのに、一人だけ違うあだ名で呼んでくる奴に出会うたびに、筋トレをしてきた。わたしの筋肉は、わたしが、違うあだ名で呼ばれてきたことの証。悲しい筋肉なのだよ」



そんな、悲しい筋肉を持つ男たちが集まるボディビル大会があるそうな。


本文に出てくる筋肉の悲しさの理由は、基本的には、この天才芸人、ハクション中西様が考えていますが、世の中には、わたしを上回る天才が5人に1人の割合で存在します。


なので、募集もしてまーす(^_^)

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