ORIGIN180E ハルカイリ島 逃走編 10

【R-18】 暴力・性描写が苦手な方は、読むのをお控えください

 中央刑務所に収容されたユースは、就寝時間になってもなかなか寝付けなかった。彼は原因不明の眩暈を覚え、胸の動悸も抑えられずにいた。目の前を何かの情景がフラッシュバックするのだが、何故そんなものを見るのか分からなかった。
 コメットはユースに大学の様子を調べてほしいと頼まれても、最初は聞く耳を持たなかった。しかし少年のただならぬ状態を見る内に、確かに何か“緊急事態”が起こっているらしいと気づき、次第に注意を向けていく。
 その頃、大学付属高校で奇妙な追いかけっこをしていたチェリーは、自分を罠にはめようとする大人たちにとうとう拉致されていた。彼女はフランス語の女教師マヌエルの部屋へ連れて行かれ、処女喪失の洗礼を受け始める。
 一方、マレ区郊外の納屋に老住と隠れているレイクは、全身から出血して瀕死の状態にあった。少年を救うために敢えて政府に連れていかせるか、それともここで心中するか、老住は二者択一を迫られる事になるのだった。