村上海賊の娘(上・下)
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作成日 2015-03-19
ジャンル アクション
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状態 連載中
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和田竜の作品を読むのは、映画にもなったデビュー作“のぼうの城”に続いて2作目だ。
“のぼうの城は”3年前に入院中の無聊を慰めてくれた作品だ。
今回の作品は瀬戸内海の村上海賊の当主、村上武吉の娘、景(きょう)姫が大活躍する、逆転、逆転また大逆転の海賊の戦いのドラマだ。織田信長に敵対する大阪本願寺の出城である木津砦と信長側の天王寺砦をめぐる陸戦と本願寺への兵糧入れを狙う難波海(大阪湾)をめぐる海戦の二つが大きなテーマだ。
景と共に闘う兄元吉、弟の景親、伯父の村上吉継、村上吉充、毛利家の児玉就英、乃美宗勝等の個性豊かな海賊達と、彼らと戦う泉州侍と泉州海賊の頭領、真鍋七五三兵衞(しめのひょうえ)、息子の次郎、父親の道夢斎達。
泉州弁で喚きちらす泉州侍・海賊の会話が下品だが底抜けに明るくめちゃくちゃ面白い。例えば、海戦の最中に七五三兵衞は次のようにどなり散らす。
“ええか泉州侍! 瀬戸内の田舎者ども、ちゃっちゃとかたづけて、うち帰って屁こいて寝んど”泉州人の心意気やユーモアを高く評価する考え方が面白い。“おもろい奴とか阿呆と呼ばれる事が最高の褒め言葉とは知らなかった。
合戦のシーンはこれでもか、これでもかと言うように、大胆な逆転場面が続き、手に汗を握るアクションドラマのようだ。久しぶりに痛快な読書で有った。
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