たかが結婚

暴力団の手から逃れたタイ人のハルミとリンダは、偶然京急大師線の終点近くにある古いアパート日の出荘に身を寄せる。二人は身一つで逃げてきたため、金もパスポートもない。大家の荒金明夫、日の出荘の住人亀岡実、石渡ゆかりは二人に同情し部屋を貸し、仕事の世話をしてやる。二人は駅近くのスナックで働きはじめるが、パスポートの行方が心配のタネだった。パスポートはハルミとリンダにとって、金より大事な身分証明書だった。しかしパスポートに労働ビザの印が押されていない二人は、警察に届けることができない。
 大家の荒金を始めとして日の出荘の住人はパスポートを取り戻す相談をし、実際に行動を起こす。三百万の借金を抱えて日本に来たという二人を気の毒に思ったからだ。さてその後の顛末は?