ディディアの翼 -白亜の章-

 リド一族――。

 彼らは善神リィーアナを崇め、普通人とは隔離された『聖地』と呼ばれる土地でひっそりと身を隠すように暮らしていた。
 古文書によれば、彼らは《人であって人でなし。あまたの力をその身に宿し、よろずの精神に秀でた存在なり》と定義付けられている。

 だがある日、平穏な生活を覆されるかのような悪夢が彼らを襲う。邪神デュール側に寝返った神官ヨーンは邪神から授かった妖力をふるい、それによってリド一族は滅亡の危機にさらされたのだ。
 さらにヨーンは普通人の世界全てを掌握しようと画策しようとする始末。

 そこで、その野望を阻止すべくリド一族最強にして屈指の能力を兼ね備えた『皇(すめろみ)』はまだ生まれたばかりの『皇女(ひめみこ)』に『皇』継承者に一族に伝授される『神器』を託すが、ヨーンの手に落ち、絶命。

 そして日々は過ぎ、難を逃れたリド一族最後の末裔である主人公ディディアの物語がここから始まる。
 普通人として過ごした15年。このまま何も知らずに平凡に生きることを信じて疑わなかった。
 だが、運命の歯車は過酷にも回りだした。
 彼女が生活を営んでいた南翠の鉱山町・トバルクはある日突然、今ではヨーンの傀儡国となった央瞳(ラル・ゼント)の侵略を受ける。
 それによって住む場所を追われ、親しい人達を次々に失ったディディアは絶望の淵に立たされた。
 追い詰められたディディアに央瞳(ラル・ゼント)軍兵士の手がのびる。乱暴されかけたその瞬間、彼女は自身の力を全開放し、リド一族として『目覚め』たのだった。

 不本意ながらもディディアはリド一族『皇』継承者の『皇女』として生きることを決意し、ついにはヨーンを討つべく立ち上がる。
 その後リィーアナ神の元神官であるアルに出会い、ディディアは彼と連れ立つことになる。

 『皇(すめろみ)』継承の儀を執り行う為、『聖地(リア・ティール)』に向かう二人だったが、果たして……?

* ** * ** * ** * ** * ** * ** * ** * ** * **

 波乱万丈・疾風怒濤な展開で幕を閉じた「紅蓮の章」に続く「白亜の章」ここに見参! ディディアの運命やいかに……!?




目次