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「ふーん。確かにそれはすごい称号だね」
そうは言っても、自分とはかけ離れた世界に、正直興味は無かった。
「それで?」
私はさらに問う。何故こんな話をしたの? という意味の問いかけだった。何の気なしの。
しかし、返ってきた答えはあまりにも私の不意をついた。
「うん。あっちゃんに、そのセンターを目指してもらおうと思う」
「ぶっ!」
たかみなのあまりに急な発言にお茶を吹いてしまった。目の前にいるたかみなに思い切りかかった。
「ちょっとー。何やってんの」
「げほっ、げほっ。ごめん、たかみな。てか本気?」
自分とはかけ離れた単語であった『センター』が急に近づいてきたような気がした。
「え? 何が?」
「いやいやあたしにセンターになれって本気で言ってる?」
「うん。もちろん。絶対なれる」
「無理に決まってるじゃん!」
私がセンターの条件を聞いて感じたことは普通の人と違うかもしれない。
人気さえあればセンターになれる。つまり、人気がなければセンターになれないということだ。
私にとってそれは、生徒会長になるより、成績トップになるより、部活で活躍するより困難に思えた。
「私、友達何人いると思ってる? たかみなくらいしかいないよ」
「これから作っていけばいいだけじゃん」
「無理だよ……できないよ」
「大丈夫大丈夫。実際に私と友達でしょ? じゃあ、無理じゃない」
「そうかもしれないけど……」
「それとも……私はよほど変人?」
「……」
「否定しろよ!」
そのツッコミに思わず笑いがこぼれた。
なるほど、友達が増えたらもっと楽しいのかもしれない。
「あっちゃんだって、もっと友達欲しいんでしょ?」
ちょうど今考えていたことをずばり言われてしまった。
「だって、センターになっても別に何かあるわけじゃないんでしょ?」
普段は、こんなに見返りを求めるような、損得だけを考えるような悪い人間じゃないのだが、このときは少し自分に素直になれなかった。
そんな質問にたかみなは、はっきり答えてみせた。
「あるよ。たっくさん友達ができる」
こう言われてしまってはぐうの音も出ない。いや、むしろ言われるのを待っていたような気がした。
自分がセンターとやらを目指すための理由みたいなものが欲しい故の。
「しょうがないな……じゃあ、やってみようか」
ついに言ってしまった。
これは自分がセンターになりたくて言っているわけではない。たかみなに頼まれたからだ。そう自分に言い聞かせる。
「そうこなくっちゃ。サポートは任せてよ! あっちゃんならできるよ!」
たかみなは私がやる気になったのが相当嬉しいらしい。目を輝かせて喜んでいる。
「目指せ! センターは当たり前田敦子だよ!」
ただ、そのダジャレのセンスでサポートに期待していいのかは不安になった。
そうは言っても、自分とはかけ離れた世界に、正直興味は無かった。
「それで?」
私はさらに問う。何故こんな話をしたの? という意味の問いかけだった。何の気なしの。
しかし、返ってきた答えはあまりにも私の不意をついた。
「うん。あっちゃんに、そのセンターを目指してもらおうと思う」
「ぶっ!」
たかみなのあまりに急な発言にお茶を吹いてしまった。目の前にいるたかみなに思い切りかかった。
「ちょっとー。何やってんの」
「げほっ、げほっ。ごめん、たかみな。てか本気?」
自分とはかけ離れた単語であった『センター』が急に近づいてきたような気がした。
「え? 何が?」
「いやいやあたしにセンターになれって本気で言ってる?」
「うん。もちろん。絶対なれる」
「無理に決まってるじゃん!」
私がセンターの条件を聞いて感じたことは普通の人と違うかもしれない。
人気さえあればセンターになれる。つまり、人気がなければセンターになれないということだ。
私にとってそれは、生徒会長になるより、成績トップになるより、部活で活躍するより困難に思えた。
「私、友達何人いると思ってる? たかみなくらいしかいないよ」
「これから作っていけばいいだけじゃん」
「無理だよ……できないよ」
「大丈夫大丈夫。実際に私と友達でしょ? じゃあ、無理じゃない」
「そうかもしれないけど……」
「それとも……私はよほど変人?」
「……」
「否定しろよ!」
そのツッコミに思わず笑いがこぼれた。
なるほど、友達が増えたらもっと楽しいのかもしれない。
「あっちゃんだって、もっと友達欲しいんでしょ?」
ちょうど今考えていたことをずばり言われてしまった。
「だって、センターになっても別に何かあるわけじゃないんでしょ?」
普段は、こんなに見返りを求めるような、損得だけを考えるような悪い人間じゃないのだが、このときは少し自分に素直になれなかった。
そんな質問にたかみなは、はっきり答えてみせた。
「あるよ。たっくさん友達ができる」
こう言われてしまってはぐうの音も出ない。いや、むしろ言われるのを待っていたような気がした。
自分がセンターとやらを目指すための理由みたいなものが欲しい故の。
「しょうがないな……じゃあ、やってみようか」
ついに言ってしまった。
これは自分がセンターになりたくて言っているわけではない。たかみなに頼まれたからだ。そう自分に言い聞かせる。
「そうこなくっちゃ。サポートは任せてよ! あっちゃんならできるよ!」
たかみなは私がやる気になったのが相当嬉しいらしい。目を輝かせて喜んでいる。
「目指せ! センターは当たり前田敦子だよ!」
ただ、そのダジャレのセンスでサポートに期待していいのかは不安になった。
更新日:2011-04-26 23:50:42