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第一章:おもうこと

挿絵 222*369

 
 

 東から昇る太陽の光に、そっと手をかざして。
 
 浮かび始める雲の動きを、じっと見つめて。

 風に揺れる花の音に、そっと耳を澄まして。

 西へと沈む夕陽の光に、触れて。

 闇を切り裂く月を、ただ、ひたすら、見つめて。

 そして再び、東の空からは太陽が――。 


 
 何度も繰り返される、繰り返されるのが当たり前の、日常。

 だけど。

 だけど。

 もう、見飽きてしまったよ。

 
 独りでいるのにも、もう、飽きてしまったよ。

 
 

更新日:2013-09-03 22:10:13

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