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小説

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 そんな時、少年の後ろから怒鳴る声がした。
「てめえは、さっき、俺の物を盗んだ餓鬼だな!」

 大柄の屈強な男だった。顔や体に無数の古傷があり、鼻が潰れているのか異様な形をしていた。

グッ!

 少年は、後ろから腕を回され首を締め上げ、身動きが取れなくなっている。
 行商人とはとても思えぬ姿だったが、傍らには、複数の果物や野菜がある。

「お前は隠れていろ!」
 とっさに状況を察した帝辛は、妹を逃がした。姿は見えなくなったが、どこかでこの状況を見ているだろう。

「おめえも、この餓鬼の仲間か!」
 逆に自分が目立ち逃げられなくなったが、帝辛にはもとよりそのつもりは無い。

「・・・違う!」
 叫んだのは少年の方だった、逃げろと叫んだ。

「そいつは今日、会ったばかりの奴だ、俺には関係ない」
 しまっている首で必死に叫んでいる。

「そうか・・・まあいい」
 男はそういうと少年を壁に向けて、投げつけた。
 頭から壁にぶつかり、うつ伏せで倒れる。
 起き上がる隙も与えず、男は容赦なく蹴り続けた。

更新日:2011-04-18 00:21:49