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小説

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土地勘も全く無い場所を帝辛はフラフラと歩いた。
それほど遠くに行くつもりも無かったし、この辺はすべて有蘇の庭だ。
誰に止められるわけでもない。
だが、そんな帝辛を呼び止めるものがいた。

煌凛だ。

日はだいぶ傾き、空を赤く照らしていた。
真っ白な煌凛の衣もほんのり薄紅がさした様に見える。

「なんだ?」
素っ気無く答える、煌凛は微笑んだ。

・・・やはり、綺麗だな。
と、思った自分を慌てて打ち消す。煌凛は不思議そうにこちらを見ている。

「ねえ、今、暇?」
「・・・・これから夕食があるのだろう」
そう言い返すと、煌凛は少し困ったように言う。

「少しなら遅くなっても平気よ・・・それよりも、見せたい場所があるの」
「・・・今すぐか?」

煌凛は首を振る。

「ううん、今だとみんなを驚かせちゃうから」
「・・・・驚かせるだと?」
訝しげに帝辛は言う。煌凛はなだめるように言った。

「もしよかったら、夜にまた、ここに来て」
夕日のせいか、頬が赤くなっているように見える。
帝辛もまた頬を赤くした。

更新日:2011-04-23 15:35:59