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キスシーンとキス
大きくはためくマント。
銀色の髪。
スッと通った鼻筋。
するどい目つきの凛々しい表情。
それはどうみても美しい少年であった。
突然自分の前に現れた、本物のバンパイアを思わせた。
台本で読んだ、正真正銘の村雨ルカがそこにいた。
「どう? ゆきりん。かっこいいでしょ」
私はその言葉を聞いて安心する。中身はいつものさえちゃんだ。
この話が来たとき、受けようかどうか、客観的に考えれば悩むのが当然だろう。
私は芝居経験が全くない。演技力も底が知れている。
ミュージカルというものの厳しさもわかっていた。漠然とだが、劇場で歌って踊るのとは全く違うとは想像できる。
さらにダブルキャストのもう一方のペアは秋元さんとたかみなさん。
この2人と名前が並ぶのだからプレッシャーも大きかった。
こうして考えると、不安要素しかない。
それでも私はこの仕事に挑戦することを即決した。
それは、自分のペアがさえちゃんだと知ったからだ。
何でさえちゃんだと即決できたのか、理由は自分でもよくわからない。
ただ、さえちゃんとなら出来る、そう強く感じたのだ。
実際苦労も多かった。
15日という短い日にちの中で経験のない自分が舞台に立てるレベルに持っていくのはとても厳しかった。
演技の中で歌う。歌いながら演技をする。ソロで歌うことも初めての経験だった。
そんな私をさえちゃんは支えてくれた。
そして、このAKB歌劇団を語る上で絶対に外すことのできないあのシーン。
初めは実感が湧いていなかった。実際『振り』をするだけの演技1つであると割り切って考えていた。
しかし、それは突然やってきた。
先に『振り』を無くしたのは、秋元さんとたかみなさんペアであった。
それを見せられたら、私たちもやるしかない。
きっとさえちゃんも同じことを思ったのだろう。
別に、変な意識とかしなくていいんだから。そう笑いながら、さえちゃんは私に顔を近づける。
そして、私の唇とさえちゃんの唇が触れ合った。
これが、私の初めてのキスだった。
銀色の髪。
スッと通った鼻筋。
するどい目つきの凛々しい表情。
それはどうみても美しい少年であった。
突然自分の前に現れた、本物のバンパイアを思わせた。
台本で読んだ、正真正銘の村雨ルカがそこにいた。
「どう? ゆきりん。かっこいいでしょ」
私はその言葉を聞いて安心する。中身はいつものさえちゃんだ。
この話が来たとき、受けようかどうか、客観的に考えれば悩むのが当然だろう。
私は芝居経験が全くない。演技力も底が知れている。
ミュージカルというものの厳しさもわかっていた。漠然とだが、劇場で歌って踊るのとは全く違うとは想像できる。
さらにダブルキャストのもう一方のペアは秋元さんとたかみなさん。
この2人と名前が並ぶのだからプレッシャーも大きかった。
こうして考えると、不安要素しかない。
それでも私はこの仕事に挑戦することを即決した。
それは、自分のペアがさえちゃんだと知ったからだ。
何でさえちゃんだと即決できたのか、理由は自分でもよくわからない。
ただ、さえちゃんとなら出来る、そう強く感じたのだ。
実際苦労も多かった。
15日という短い日にちの中で経験のない自分が舞台に立てるレベルに持っていくのはとても厳しかった。
演技の中で歌う。歌いながら演技をする。ソロで歌うことも初めての経験だった。
そんな私をさえちゃんは支えてくれた。
そして、このAKB歌劇団を語る上で絶対に外すことのできないあのシーン。
初めは実感が湧いていなかった。実際『振り』をするだけの演技1つであると割り切って考えていた。
しかし、それは突然やってきた。
先に『振り』を無くしたのは、秋元さんとたかみなさんペアであった。
それを見せられたら、私たちもやるしかない。
きっとさえちゃんも同じことを思ったのだろう。
別に、変な意識とかしなくていいんだから。そう笑いながら、さえちゃんは私に顔を近づける。
そして、私の唇とさえちゃんの唇が触れ合った。
これが、私の初めてのキスだった。
更新日:2011-04-30 23:02:16