- 2 / 56 ページ
友達
桐青高校に入学して、もう二週間がたつ。
クラスではいくつかのグループが出来ていた。そのグループに入る気がサラサラない私は、休み時間などは一人窓の外を眺めていた。
ボーっと眺めていると前から
「何見てんの?」
と声が聞こえた。
前を向き
『そら』
外をみながら呟くと
「空見て面白い?」
と聞こえた。
『うん』
と答えつつ前にいる人物を見るとニコニコしながらこっちを見ていた。
「やっとこっち見た!」
そう言って笑ったこの人は、確か仲沢利央・・・だったはず。
『なんか用?』
「うん。用ある」
ガタっと椅子から立つ彼を見上げて軽く180はあるかな、なんて考えた。
『何?』
「友達になろ!」
『・・・は?』
突然何を言い出すんだろうかこの人は。
「ダメ??」
なんて言いつつ捨てられた子犬みたいな目を向けてくる。
『・・・いいけど』
子犬の目に逆らえなかった私に仲沢利央は
「よろしく!」
と言いながら握手してきた。
その日以来、仲沢利央は
「安曇さん 安曇さ~ん」
と、何かあると絶対に寄ってくる。
友達というより捨て犬の飼い主になった気分だった。
クラスではいくつかのグループが出来ていた。そのグループに入る気がサラサラない私は、休み時間などは一人窓の外を眺めていた。
ボーっと眺めていると前から
「何見てんの?」
と声が聞こえた。
前を向き
『そら』
外をみながら呟くと
「空見て面白い?」
と聞こえた。
『うん』
と答えつつ前にいる人物を見るとニコニコしながらこっちを見ていた。
「やっとこっち見た!」
そう言って笑ったこの人は、確か仲沢利央・・・だったはず。
『なんか用?』
「うん。用ある」
ガタっと椅子から立つ彼を見上げて軽く180はあるかな、なんて考えた。
『何?』
「友達になろ!」
『・・・は?』
突然何を言い出すんだろうかこの人は。
「ダメ??」
なんて言いつつ捨てられた子犬みたいな目を向けてくる。
『・・・いいけど』
子犬の目に逆らえなかった私に仲沢利央は
「よろしく!」
と言いながら握手してきた。
その日以来、仲沢利央は
「安曇さん 安曇さ~ん」
と、何かあると絶対に寄ってくる。
友達というより捨て犬の飼い主になった気分だった。
更新日:2011-04-06 18:49:34