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小説

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近くの湧き水を桶に汲む
逃げるように飛び出してしまった自分に双樹は嫌悪した
・・・嫦娥と向き合って話せない
今まで、誰よりも色々話せた、一番理解し合えていると思った。
だけど・・・

「俺の為に死んでくれ」
嫦娥に言われた一言が頭に響く

まだ、肌寒い春の朝、水も冷たいし、吐く息も白い
そう言えば、嫦娥にはじめてあった日も、これぐらいの季節だったっけ

嫦娥は自分とさほど歳の変わらない少年の姿で現れた
この数日まで、人間だと思ってた。
誰にも話せない事でも嫦娥にだけは話せたし、嫦娥はそれを聞いてくれた。

「この前の夜だって・・・そうだったはずなのに」
滾々と溢れる水を眺めながら、そう呟いた。

双樹は、つい数日前、変わり果てた妹に出会ってきた。
元々、体が弱く、長くは生きられないと言われていた妹だったが
再会した妹は、無理やり延命をされ、壮絶な姿を晒していた
不可思議な言葉をつぶやく・・・双樹が兄だとすら解らなかった。

更新日:2011-04-03 02:29:06