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3月22日 水道復旧とトイレの問題

この日を、どんなに待ちわびたことだろう。
朝に、やっと水道が復旧した。
最初は赤茶色の水が出たが、徐々に透明になった。
これでもう、水を求めて痛い足を引きずって遠くまで行かなくてもいいんだ……。

嬉しいはずなのに、なんだか少し寂しい気がするのはなぜだろう。

食器洗い、洗濯、風呂場の掃除。
水道があると、なんでもジャブジャブ洗えて綺麗になっちゃうこの快感。

震災前まで当たり前だったことが、当たり前ではなかったことが身に染みて分かった。


一難去ってまた一難。
トイレに問題発生。
水がスムーズに流れていかないのだ。どうやら、流す水をケチケチ使っているうちに詰まってしまったらしい。

以前勤めていた職場では、トイレが詰まった時、長い柄の先にゴム製のお碗型吸盤が付いた物で「ばっこん」とやるとスムーズに流れた。

アレの正式名称は何だろう。
と、思ってネットで調べてみたら「ラバーカップ」と言うらしい。
ラバーカップを求めて、金物屋さんに出かけた父が、喜々として帰ってきた。

「あったぞぉ~♪♪」

「よく金物屋さんに置いてあったね、良かったね」と言ったら
「アンタがやるんだよ」
ですと。

「経験者がやったほうがいい」と言うので、「見てただけだよ、やったことないよ」と返したが、なんだか私がやることになってしまった。責任重大。上手く出来るだろうか。

いざ。トイレに挑み2、3回「ばっこん」とやると、あら不思議。あんなに流れが悪かった水が拍子抜けするほど簡単に流れていった。

ラバーカップって賢い。発明した人に何かお礼がしたい。

夜は、ウチにある中で一番大きな鍋に湯を沸かし、そろりそろりと風呂場に持ち込んで、火傷しないように水を足しながら簡易的に体を洗った。軽く足湯をしたらとても心地良かった。

更新日:2011-04-08 18:21:48

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汗かきベソかき震災日記 ―東日本大震災―