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初!「ちょっと待って」のこと
お風呂上がりで濡れた髪を乾かしながらパソコンの電源を入れた。
ボーンという音と共に画面が明るくなり、完璧に起動するまで
窓をあけて、夜風にあたっていた。
私の部屋は二階で、窓から見える景色は一面、畑。
なので、いつもきわどく楽な格好でいることが多かった。
その日も白いキャミソールに中学生の時に使用していた
短パンという、ラフなスタイルだった。
パソコンが安定した音に変わったので、いつものように
軽くネットサーフィンをしてから日記を書き始めた。
椅子に胡座をかいて、もの凄いスピードで脳内の言葉を
パソコンに吐いていると、突然、視線を感じた。
振り返ると誰もいない。
今回は首のあたりに『ちくり』とさすような感覚だった。
「気のせいかな」と思い、目線をパソコンに戻そうとしたその時
変なうめき声が聞こえた。
「う、う、う〜ん。・・・・。どっこいしょ。」
ベランダに目をやると何やらモソモソと動く黒い物体が見える。
机に置いてあったメガネをかけてよく見てみると、
服の埃を払う帝がいた。
私の方を見るなり下にいる誰かに
「あ、オッケー。いたいた。大丈夫ッス。ありがとうございました。」
と、その場を離れさせた。
私はというと、現状をまったく理解できなず、
目を大きく見開いたままフリーズしてしまった。
「あ、元気?すっげー久しぶりだよね。」
ニコニコしながら履いていた靴を脱ぎながら部屋に入ってくる帝に
何をどう答えていいのか分からず
ただ、帝の顔を見ることしかできなかった。
「お〜い。大丈夫か?」
帝がフリーズしている私の顔をぺちっと叩いた。
「・・・・・・。あ、・・・・うん。・・・・・・大丈夫。」
まったく大丈夫ではないが、そう答えるしかなかった。
「いや〜。何か大変な目に遭ったんだって?」
「・・・・・っつ。た、大変な目?」
思わず、声色が上ずってしまった。
「そうそう、変態に追いかけられたんだって?」
「えっ。・・・・・・。」
帝のそのひと言で私は一つの答えに飛びついた。
「まさか、あの変態って、帝?」
次の瞬間、帝は大声を上げて爆笑していた。
「あははははは。お前、本当にひん曲がった性格に育ったな。
その、何でも疑う発想。いいね〜。」
大爆笑する帝の姿に、間違った答えだと気がついた私は
顔が沸騰するほど恥ずかしくなり、同時に怒りがこみ上げてきた。
「じゃあ、何で知っているの?私、誰にも話してないもの。
あのこと知っているの、私と変態だけじゃん!」
勢いよく椅子から立ち上がり、帝に掴みかかった。
私の精一杯の抵抗が伝わったのか、呆れられたのかは分からないが
「バカだな〜。そう何でもすぐに結論づけるな。」
帝は優しく微笑みかけて、私ががっしりと掴んでいる手を
襟元から外した。
「じゃあ、何で?何で知ってるの?
だって、だって、おかしいじゃん。」
間違っていた恥ずかしさと、現状を理解できない恐怖心で
半ばパニックになりかけた。
そんな入り交じった感情は段々、私を不安にさせ涙目にさせていった。
ボーンという音と共に画面が明るくなり、完璧に起動するまで
窓をあけて、夜風にあたっていた。
私の部屋は二階で、窓から見える景色は一面、畑。
なので、いつもきわどく楽な格好でいることが多かった。
その日も白いキャミソールに中学生の時に使用していた
短パンという、ラフなスタイルだった。
パソコンが安定した音に変わったので、いつものように
軽くネットサーフィンをしてから日記を書き始めた。
椅子に胡座をかいて、もの凄いスピードで脳内の言葉を
パソコンに吐いていると、突然、視線を感じた。
振り返ると誰もいない。
今回は首のあたりに『ちくり』とさすような感覚だった。
「気のせいかな」と思い、目線をパソコンに戻そうとしたその時
変なうめき声が聞こえた。
「う、う、う〜ん。・・・・。どっこいしょ。」
ベランダに目をやると何やらモソモソと動く黒い物体が見える。
机に置いてあったメガネをかけてよく見てみると、
服の埃を払う帝がいた。
私の方を見るなり下にいる誰かに
「あ、オッケー。いたいた。大丈夫ッス。ありがとうございました。」
と、その場を離れさせた。
私はというと、現状をまったく理解できなず、
目を大きく見開いたままフリーズしてしまった。
「あ、元気?すっげー久しぶりだよね。」
ニコニコしながら履いていた靴を脱ぎながら部屋に入ってくる帝に
何をどう答えていいのか分からず
ただ、帝の顔を見ることしかできなかった。
「お〜い。大丈夫か?」
帝がフリーズしている私の顔をぺちっと叩いた。
「・・・・・・。あ、・・・・うん。・・・・・・大丈夫。」
まったく大丈夫ではないが、そう答えるしかなかった。
「いや〜。何か大変な目に遭ったんだって?」
「・・・・・っつ。た、大変な目?」
思わず、声色が上ずってしまった。
「そうそう、変態に追いかけられたんだって?」
「えっ。・・・・・・。」
帝のそのひと言で私は一つの答えに飛びついた。
「まさか、あの変態って、帝?」
次の瞬間、帝は大声を上げて爆笑していた。
「あははははは。お前、本当にひん曲がった性格に育ったな。
その、何でも疑う発想。いいね〜。」
大爆笑する帝の姿に、間違った答えだと気がついた私は
顔が沸騰するほど恥ずかしくなり、同時に怒りがこみ上げてきた。
「じゃあ、何で知っているの?私、誰にも話してないもの。
あのこと知っているの、私と変態だけじゃん!」
勢いよく椅子から立ち上がり、帝に掴みかかった。
私の精一杯の抵抗が伝わったのか、呆れられたのかは分からないが
「バカだな〜。そう何でもすぐに結論づけるな。」
帝は優しく微笑みかけて、私ががっしりと掴んでいる手を
襟元から外した。
「じゃあ、何で?何で知ってるの?
だって、だって、おかしいじゃん。」
間違っていた恥ずかしさと、現状を理解できない恐怖心で
半ばパニックになりかけた。
そんな入り交じった感情は段々、私を不安にさせ涙目にさせていった。
更新日:2011-03-29 21:53:39