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初めての流血と新しい仲間のこと
帝が学校へ来た影響はすぐに出た。
朝は自転車がなかったので、いつもより早めに学校へ
行かなければならず、
ヘロヘロになりながらたどり着いた学校では玄関で待っていた
口うるさい生徒指導の先生に指導室へ連れて行かれ、
警察の取り調べのごとく言葉の暴力を浴びた。
教室ではロマンスに飢えている女子から
どうでもいいような妄想話と質問攻めにあった。
さすがに夕方になると息が詰まって窒息死しそうだったので
掃除を友人に託し、隠れるようにして自転車置き場へ向かった。
恐る恐る自転車置き場を覗くと、誰もいない。
この期を逃すかと、急いで自転車にまたがって校舎を出た。
家の近くには自動販売機が沢山あった。
当時の私のお気に入りは『りんご紅茶』だった。
無駄に甘ったるい人工甘味料は時に疲れた体を癒してくれた。
この商品がある自動販売機は一つしかなく、
人通りもすくない薄暗い駐車場の一角にあった。
精神的にも肉体的にも疲れた私は『リンゴ紅茶』をもとめて
いつものように自転車を停めて自販機の前に立った。
ボタンを押して商品を取り出した時、後ろから左腕を掴まれた。
昨日の今日でまた、帝だろうと思い
「ちょっと、帝、放してよ!」
そういって振り返ると、そこにいたのは帝ではなかった。
そこには、鼻息が荒く、ひょろっと背の高い人が立っていた。
「僕が、僕が君を変態から守るよ。」
掴まれた腕が徐々に締め付けられ、私を後ろの自販機に押し付けた。
「あなた誰?!
ちょ、いや、放して!」
私は反対の手で変態の顔を殴ろうとしたが
後ろに仰け反られかわされてしまった。
的に当たらなかった手は変態に器用に捕まれ、体勢を反転させられた。
覆いかぶされるようにしてバックを取られてしまった。
その体勢のまま全体的に後ろへ引っ張られ
思い切り自販機に全体を叩き付けられた。
眼鏡が自販機の突起部分にあたり、目の上に激痛が走った。
「暴れちゃ駄目だよ。
言ってるだろ、僕が君を守るんだって。」
「いや、いやよ。放して!」
両手に力をいれて最大限抵抗しているがびくともしない。
私はくやしい気持ちで一杯だった。
「放さないよ。君はこのまま僕の家へ行くんだよ。
そうすれば、あの変態から君を守れるんだよ。」
両腕はさらにギチギチに締め付けられ、
立ってるのがやっとだった。
朝は自転車がなかったので、いつもより早めに学校へ
行かなければならず、
ヘロヘロになりながらたどり着いた学校では玄関で待っていた
口うるさい生徒指導の先生に指導室へ連れて行かれ、
警察の取り調べのごとく言葉の暴力を浴びた。
教室ではロマンスに飢えている女子から
どうでもいいような妄想話と質問攻めにあった。
さすがに夕方になると息が詰まって窒息死しそうだったので
掃除を友人に託し、隠れるようにして自転車置き場へ向かった。
恐る恐る自転車置き場を覗くと、誰もいない。
この期を逃すかと、急いで自転車にまたがって校舎を出た。
家の近くには自動販売機が沢山あった。
当時の私のお気に入りは『りんご紅茶』だった。
無駄に甘ったるい人工甘味料は時に疲れた体を癒してくれた。
この商品がある自動販売機は一つしかなく、
人通りもすくない薄暗い駐車場の一角にあった。
精神的にも肉体的にも疲れた私は『リンゴ紅茶』をもとめて
いつものように自転車を停めて自販機の前に立った。
ボタンを押して商品を取り出した時、後ろから左腕を掴まれた。
昨日の今日でまた、帝だろうと思い
「ちょっと、帝、放してよ!」
そういって振り返ると、そこにいたのは帝ではなかった。
そこには、鼻息が荒く、ひょろっと背の高い人が立っていた。
「僕が、僕が君を変態から守るよ。」
掴まれた腕が徐々に締め付けられ、私を後ろの自販機に押し付けた。
「あなた誰?!
ちょ、いや、放して!」
私は反対の手で変態の顔を殴ろうとしたが
後ろに仰け反られかわされてしまった。
的に当たらなかった手は変態に器用に捕まれ、体勢を反転させられた。
覆いかぶされるようにしてバックを取られてしまった。
その体勢のまま全体的に後ろへ引っ張られ
思い切り自販機に全体を叩き付けられた。
眼鏡が自販機の突起部分にあたり、目の上に激痛が走った。
「暴れちゃ駄目だよ。
言ってるだろ、僕が君を守るんだって。」
「いや、いやよ。放して!」
両手に力をいれて最大限抵抗しているがびくともしない。
私はくやしい気持ちで一杯だった。
「放さないよ。君はこのまま僕の家へ行くんだよ。
そうすれば、あの変態から君を守れるんだよ。」
両腕はさらにギチギチに締め付けられ、
立ってるのがやっとだった。
更新日:2011-04-01 15:00:51