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イライラのこと
次の日の私はものすごく機嫌が悪かった。
そもそも、帝に会うのは二年ぶりだったし、
彼がどこで何をやっているのか知らない。
私に会いにくるにしても玄関からくればいいのに、
ベランダからの登場にも疑問が残った。
そして、なによりも腹が立ったのは
誰にも言っていない例の一件を帝が知っていることだった。
そんなことを一日中考えていたので
その日の授業はまったく頭に入らず、
お昼も何を食べたのか記憶がなかった。
イライラするのでいつもより大きめな音量で
音楽を聴きながら自転車置き場へ向かった。
「あ〜。イライラする」とぶつぶつと文句を
言っていると後ろから肩を叩かれた。
びくっとして振り返るとそこに帝が立っていた。
「なっ!!!」
驚いて声が出ない。
不機嫌そうな顔で後ろに立っていた。
「お前、何度も名前呼んだのに、無視かよ。」
「あ、ごめん。音楽聞いてたから。」
ヘッドホンを耳から外して電源を消した。
「で、何の用?」
私はわざと冷たく返事をした。
「ん〜。今日からお前のボディーガードしようと思ってさぁ〜。」
「はい?」
全く、意味不明である。
「ちょっと待って。何言ってるのかよく分からない。」
帝のいうボディーガードの定義が分からず聞き返した。
「いや〜。また怖い目に遭っても嫌でしょ。
だから、僕がボディーガードしてあげようかな〜って。」
帝はニコニコしてかわい子ぶっている。
そんな態度に私のイライラは収まらない。
「いらない。」
毅然とした言葉で帝を突き放した。
スタスタと自分の自転車に向かって歩き出した。
「ふふ〜ん。そういうと思った。」
私の反応を分かっていたように笑い、後ろから私の鞄を取り上げた。
「はぁ? ちょっと、返してよ!」
鞄を取りかえそうとするが、身長差が邪魔をしてなかなか取り返せない。
笑いながら鞄を右へ左へする帝の子供っぽさに
私のイライラは限界に達して大声で叫んでしまった。
「もう、私に構わないで!
本当にイライラするし、迷惑よ!」
白人の肌は日本人の肌のように毛細血管を上手く隠すしてくれない。
大声で叫んだ私は呼吸が荒くなり、
首から耳の先まで高揚していくのが分かった。
はっと、周りを見ると妙な人集りができていた。
帝は否応なしに悪目立ちしている上に、私がぎゃーぎゃーと騒いでいる。
「この状況を見るなという方が無理だ。」と焦った私は
帝の手を引っ張り、走って校内を出た。
学校の近くに大きな森林公園があり、
私はひとまず、そこで話をすることにした。
周りに誰もいないことを確認して帝から鞄を取り返した。
「もう、本当に迷惑。」
どなり散らして、走ったせいで未だに私の心拍数は高いままだった。
「ごめん。ごめん。」
「いったいどういうことなのか説明して!
突然現れたり、誰にも言ってないこと知ってたり、
もう、本当に訳が分かんない!」
矢継ぎ早に質問しながらも帝に八つ当たりしている私がいた。
ここ数日いろいろなことが起きすぎて精神的に疲労していた私は
わめき散らしている自分に落胆し始めた。
「もう、・・・・・いや。」
ぽつりと呟くようにいった瞬間、一気に体の力が抜けた。
そもそも、帝に会うのは二年ぶりだったし、
彼がどこで何をやっているのか知らない。
私に会いにくるにしても玄関からくればいいのに、
ベランダからの登場にも疑問が残った。
そして、なによりも腹が立ったのは
誰にも言っていない例の一件を帝が知っていることだった。
そんなことを一日中考えていたので
その日の授業はまったく頭に入らず、
お昼も何を食べたのか記憶がなかった。
イライラするのでいつもより大きめな音量で
音楽を聴きながら自転車置き場へ向かった。
「あ〜。イライラする」とぶつぶつと文句を
言っていると後ろから肩を叩かれた。
びくっとして振り返るとそこに帝が立っていた。
「なっ!!!」
驚いて声が出ない。
不機嫌そうな顔で後ろに立っていた。
「お前、何度も名前呼んだのに、無視かよ。」
「あ、ごめん。音楽聞いてたから。」
ヘッドホンを耳から外して電源を消した。
「で、何の用?」
私はわざと冷たく返事をした。
「ん〜。今日からお前のボディーガードしようと思ってさぁ〜。」
「はい?」
全く、意味不明である。
「ちょっと待って。何言ってるのかよく分からない。」
帝のいうボディーガードの定義が分からず聞き返した。
「いや〜。また怖い目に遭っても嫌でしょ。
だから、僕がボディーガードしてあげようかな〜って。」
帝はニコニコしてかわい子ぶっている。
そんな態度に私のイライラは収まらない。
「いらない。」
毅然とした言葉で帝を突き放した。
スタスタと自分の自転車に向かって歩き出した。
「ふふ〜ん。そういうと思った。」
私の反応を分かっていたように笑い、後ろから私の鞄を取り上げた。
「はぁ? ちょっと、返してよ!」
鞄を取りかえそうとするが、身長差が邪魔をしてなかなか取り返せない。
笑いながら鞄を右へ左へする帝の子供っぽさに
私のイライラは限界に達して大声で叫んでしまった。
「もう、私に構わないで!
本当にイライラするし、迷惑よ!」
白人の肌は日本人の肌のように毛細血管を上手く隠すしてくれない。
大声で叫んだ私は呼吸が荒くなり、
首から耳の先まで高揚していくのが分かった。
はっと、周りを見ると妙な人集りができていた。
帝は否応なしに悪目立ちしている上に、私がぎゃーぎゃーと騒いでいる。
「この状況を見るなという方が無理だ。」と焦った私は
帝の手を引っ張り、走って校内を出た。
学校の近くに大きな森林公園があり、
私はひとまず、そこで話をすることにした。
周りに誰もいないことを確認して帝から鞄を取り返した。
「もう、本当に迷惑。」
どなり散らして、走ったせいで未だに私の心拍数は高いままだった。
「ごめん。ごめん。」
「いったいどういうことなのか説明して!
突然現れたり、誰にも言ってないこと知ってたり、
もう、本当に訳が分かんない!」
矢継ぎ早に質問しながらも帝に八つ当たりしている私がいた。
ここ数日いろいろなことが起きすぎて精神的に疲労していた私は
わめき散らしている自分に落胆し始めた。
「もう、・・・・・いや。」
ぽつりと呟くようにいった瞬間、一気に体の力が抜けた。
更新日:2011-03-30 23:38:12