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修飾語は大げさに

 ここまでの基礎を踏まえれば、そうそう「小説の基礎を……」という評価は受けないかと思います。続きまして次の常套句「ラノベっぽい」への対策をして参りましょう。ラノベっぽいと言われる原因は大きく二つ、セリフが多い事と、効果音が多い事です。ああ、そりゃあまずいでしょうよね。まずセリフが多いっていうのはアレでしょう、延々と会話が続いて行く様な。そういう風になるっていうのは心理描写、情景描写が描かれていない証拠です。会話をしている間も、キャラクターは直立不動でいる訳じゃない。その動きと、それによる心の動きを描かないから、会話文だけが延々繋がってしまうのです。

 そして効果音。これに関しては勘違いしている方も多いかもしれませんが、少なめに……っていうか使わないでください。理由は、そんな物で音は表現出来ないから。例えば皆さん、ガシャーンッ! と言われたら何を思い浮かべます? ガラスが割れる音、金物が落ちる音、はたまたロボットが合体する音ですか? 文字で表現する音なんて精々この程度のものです。大まかにどんな音かは分かっても、その雰囲気は全く伝わらない。これでは状況の描写としては不十分です。こういった効果音を使うときは、あくまで擬音語であると割切って使う事。形容詞的な使い方、例えば「ヒラリとかわす」の様に使う事をオススメします。

 では、以上二点を踏まえた場合どのような文章になれば望ましいか。大雑把に言えば修飾語を多用すれば良いのです。吹き出しが連続してしまうならそのセリフを誰が、どんな様子でどんな身振り手振りを加えながら話しているか。歩いている描写なら、どのくらいの歩調で、どんな所を歩き、どんな景色を見て、どう思ったのか。それらを全て書けば良い。それが本筋に関係なかろうと、小説の場合読者が情景を想像する為のソースはこれしかありません。映像や挿絵に頼らず、必要な情報は全て文章の中に差し込む。それを意識すれば自ずとセリフばかりという状況からは脱出できるはず。修飾語を使って、いる事いらん事どんどん情報を加えてください。

 ここまで読んで「修飾語がそんなに大事なの?」と思った方はアホの割りになかなか用心深い。そういう方には是非実際に体験していただこうと思います。次のページにごく短い例文を用意しました。これは修飾語をほとんど使わずに書いた物。そして更に次のページにあるのは、前のページの例文を原文とし、効果音以外に一切の削除、修正をしないで加筆のみ行った文章です。ではまず、修飾語をほとんど使わない例文をどうぞ。

更新日:2011-03-09 20:12:39

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