• 1 / 1 ページ

パーカーのフード

 買ったままで着ていなかったパーカーのフードに、鳥の巣ができていた。服の組み合わせを考えるのに慣れていない僕はそれをほったらかしにしていた。服は「服」だけではないのだな、と思う。いらない物でも必要としている人、あるいはその他が必ずいるものだ。これこそ究極のエコサイクル。それでもうまくいかないのが事情。フードはうまく活用してくれたけど胴体の部分はなにがどう使うのだろう。気になった僕はまたしばらくほっとくことにした。

 二週間と四日後。猫が気持ちよさそうに文字通り丸くなって寝ていた。もちろん二週間と四日前に見た鳥たちはいない。このままいくと自然のサイクル、ピラミッドが見れるかもしれないと僕はわくわくした。また様子をみてみよう。

 二週間と一日、ちょうど一ヶ月だ。犬が座っていた。予想していたことが起きてしまって僕はちょっとガッカリした。やっぱり犬>猫なのだろうか。いや、そんなことない。犬より強い猫だっているはずだ。自分を答にするために待つことにした。

 ヘビだった。この辺にいたんだという驚きとヘビ>犬>猫>鳥なのだと納得してほぇーという音になった。恐らくイカクして追い出したのだろう、腹はふくれていない。とぐろを巻いて「すやすや」と頭上に表示されていてもおかしくないほどおだやかな表情だ。僕も思わず優しい顔になった。

 放課後のクラブ活動に夢中になった僕はしばらく様子を見るのを忘れていた。次に見たのは鳥のスを見てから二ヶ月とちょっと経った頃だった。きょとんとした顔をして目をくりっとさせてこちらを見上げているのはカエルだった。僕の手のひらに五匹はのるだろうというぐらいの大きさの緑色の。「ヘビににらまれたカエル」ということわざぐらい僕も知っている。一体どういうことだろう。不思議に思いながら見つめる僕を、カエルも不思議そうに見上げてくる。「何だよお前」つぶやいた。「何でだよ」の間違いだったかもしれない。ともかく僕は自分を答にすることができたようだ。パーカーはぼろぼろになっていてもはや着ることは不可能な状態になっていた。少し近くに寄っただけで動物園のにおいがする。僕はそれをあげることにした。エコサイクルだ。

 次の日学校に行くと、同じクラスのタケオがそれを着て黒板を消していた。

更新日:2009-02-28 16:25:08

  • Twitter
  • LINE
  • Facebook