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二人で…

会社から出て来てしまったのに
まだ金森主任は私の腕を握っている。

『あ…あの…金森主任??』

「は!?」

『う…うで…痛いんですけど…』

金森さんがはっと私を見て
それから自分の左手を見て
パッと手を離した。

「悪い!思わず…」

『いや、いいんです。私も悪いんで…
今日はすみませんでした。それじゃ…』

と駅の方へ向かおうとしたら
さっきまで握られてやっと離してもらえた腕を
またガシッと捕まれた。

更新日:2011-02-21 05:23:07

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