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出張

翌朝、私は羽田空港のロビーにいた。

現在9時。

早く着きすぎた…。

何せ眠れなかったのだから仕方ない。

家を出る時にも確認をしたけど
更にバッグの中を開けて確認する。

…うん、ちゃんと全部入ってる。

ロビーでコーヒーを飲みながら時間を潰した。

時計を見る度にどんどん緊張が増す。

このまま時間が止まっちゃえばいいのに。

はぁ…やっぱり断っても良かったかな…。

どんな顔して会えばいいのか今でもわからないもん。

私の事、どんな風に思われちゃったんだろ。

…あんな事があったんだ。

きっとあまり会いたくないに決まってる。

だとすれば今日から二泊三日もどうやって過ごせばいいんだろう…。

すっと人影が私の視界に入った。

私は視線を膝の上で持っていたカップから上にあげた。

更新日:2011-09-09 00:41:04

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