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meeting at stuff-room

 スタッフルームは指令室のナナメ向かい 士官室の並びにある20人前後入る集会場だ
ちょっとした会議やミーティングができるようになっている
 廊下に面した表扉が開くと飲み物が常備された前室があり、シュレはそこでガイル・マキや、アブサディティ・マックス&ジォイ・フレーガーと顔を合わせた
 「 よー シュレ リオカードの様子はどうだ? 」
入って来たシュレに気付き、ガイルが手を上げる
 「 今、対処薬の点滴をしてる 成分が一致したって? 」
 「 ああ 後で説明するが、な 結構めんどーな事になってるぞ 」
 「 はぁ? 」
何気に気の無い返事をしたとたん、シュレは ばし!と背中を叩かれる
 「 ‥‥ぃってぇ (>_<) 」
 「 やーねぇ しけた面しちゃってさ 」
どついたのはリオカードFC自称会長のアブサディティだった
 「 リオのことだもん すぐ元気になるわよん 」
この娘は根っからの楽天家
 「 でもさ、シュレがリオカードと組んだって、ホントだったのね
あたしはまた、ジォイの冗談かと思ってたわ 」
 「 ジォイが、何で? 」
シュレの問いにジォイは苦笑する
 「 実はあんたを探してたリオカードに、店を教えたのこいつなんだ 」
と、パピィを指す
 「 そん時ジォイったら、なんて言ったと思う~? 」
 「 えっ?! 」
アブサディティは相棒の当惑など全く意に介さない
 「 “断っちまえ 肌が合わねーんだよ”‥‥って 」
 「 おまえ何も解って無かったくせにーー 」
 「 あ‥‥そ 」
シュレは興味無さげに、曖昧に答えたが、誰が聞いてもそういう反応なのかと複雑な心境になる
本人でさえリオカードと自分が合う、とは思ってもみなかったのだから仕方がないが
 「 そんなツラすんなって、シュレ 色男が台無しだぞ 」
ガイルは軽く笑い飛ばした
 「 ‥‥だからちゃんと忠告してやったろうが 」
 「 そうだな‥‥ 」
シュレとリオカード ‥‥この2人で組むようにしたのは、当然ボスだ
ドクターの態度からも、シュレとリオカードの組み合わせを異質と考えないセクトもある事が解る
ガイルも最初から疑問を持たなかったクチだろう
 「 あんたは、なんで? 」
 「 ああ、そりゃあ リオカードがおまえ好みの美人だからだろう? 」
あっさり応えてにやり、と笑った シュレは目が点々
 「 まさか それだけ、か? 」
 「 まさか 他にも理由はあるけどな
他人から言われなくても解ってるんだろう? シュレ 」
シュレはガイルに見透かされた気がして、思わず見詰める
ガイルはしぶとさを見せた
 「 ‥‥あいつは見た目が美少年だからな パピィみたいなミーハーに受けるんだ
でも見かけにだまされると‥‥ 」
こうして退引きならなくなる
 「 ドクターにも同じことを言われたよ 」
ガイルが頷かないうちに、背後からアブサディティが割り込んで来た
 「 あたしが何だって? 」
ガイルとシュレは、しぶしぶ振り返る
 「 ヒトの悪口をこそこそ言わないように 」
 「 ‥‥よー パピィ おまえさんリオカードのどこに惚れたんだ? 」
ガイルの嫌がらせにアブサディティは赤くなった
 「 な‥‥何よ どーだっていいでしょ そんなこと 」
 「 10年来ファンの小説の、キャラクターにそっくりなんだと 」
横からジォイが説明する
 「 お黙りっ 」
 「 少女小説か ‥‥そーとーなミーハーだな 」
パピィは赤い顔をさらに赤らめる
 「 でも、あいつはだめだな クイーンだから男としか合わねーよ 」
シュレはガイルのこの、止めの一言を聞いた途端、奥の部屋に向かって逃げ出した
 「 シュレ? 」
不審そうにシュレを呼びとめたガイルの背後で、アブサディティの表情に鬼気が射していた

 スタッフルームはその使用目的が極秘事項に属するため、厳重な造りになっている
廊下に面した一重扉、そして前室 さらにその奥に位置していた
 この階自体が重要なセクションで、指令室、士官室、参謀本部がある
正式名称は第一管制局 平常時における中枢だった
 今、スタッフルームには“ロッド・ジェイム”の組織に関わる任務に就いている者と、情報を持つ者がメンバーとして集められていた
 “ベラトリクスBELLATRIX”の異名で呼ばれるアブサディティ・マックスと、彼女の相棒で苦労の絶えないジォイ・フレーガー
見かけはキュートだが姐御肌の“ASTRAIA”クレラ・フィアンダー、彼女の相棒で警察犬のシシィ クレラに付いて研修中の新人、ナンネル・ウィング
 亡命問題のエキスパート 大学教授で、ダンディなバシール“男爵”と、彼の相棒アルリウ“男爵夫人”
ゲリラ戦法で“恐怖のガイル”と異名を取る、一匹狼“BONAPARTE”ガイル・マキ

更新日:2011-05-13 19:47:26

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