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June Sat. p.m.
エレベーターのなかで、シュレはふと何かを思い出したようだった
「 どうしたの、シニー 」
「 いや‥‥ 」
と、わざと否して
「 女の子ってのは、見ててあきねーなと思って 」
「 ああ‥‥ 」
リオカードも笑いながら応える
「 シニーもね 子供つくるんなら女の子にしなさいよ 」
「 無茶言え☆ 」
「 だって可愛いよ
叱るとすぐ涙ぐむし、抱きしめると柔らかいし
奥サンやカノジョの比ではないね 」
シュレにはその言い方のほうがおかしかったらしい
「 リオカード おまえもしやロリコンか? 」
「 ええっ(・・;) 」
地下駐車場に着く
「 ん〜 まあ、おまえ自身もちょっとロリっぽいし 」
大またに歩くシュレに、小走りになって付いて行きながら、若干憤慨した様子でリオカードが言った
「 どーゆー意味だょ それって‥‥ 」
「 ある意味、ナルシストなのかも? 」
「 はい〜? なんでそうなるの?? 」
シュレはリオカードの疑問も当惑も、当然のように無視する
が、リオカードの装い‥‥濃いブルーグレーのハイネックのシャツブラウスに同色系のパンツ、シルバーの丈の長いジレ‥‥に眼を留める
昨日もこんな恰好だったし、似合わないとは思わないが
肌の露出を少なくし体の線が出ない装いに、エイジャリーナと同じ慎みを感じる
でも、汗ばむほどの陽気なのに、長袖シャツに上着着用とは、いったい?
「 調度いい 本部に行く前にちょっと付き合え 」
「 なに‥‥? 」
シュレのバイクにタンデムで、Istanbul市街へ向かう
Cumhuryet Caddesi(大通り)へ入り、司令本部ビルの前をあっさり通り過ぎた
ある路地を曲がって、こじゃれたショップの前で止まる
シュレが慣れた様子で店に入ると、顔なじみらしい店員たちが挨拶した
American POPが流れ、キッチュでおしゃれな内装
80'sな雰囲気の店である
リオカードは珍しそうに遠目で眺める
決してきょろきょろしない辺りに、育ちのよさが伺えた
シュレは何気なく、服を選んでいる が、彼の物とは到底思えない
「 ‥‥シニー? 」
彼の目的がわからない さっきからなんだか無視されっぱなしだし‥‥
リオカードが不安を感じる頃、ようやくシュレがこちらを見た
指で“来い”と、呼んでいる
判らないままそばに寄ると、選んだ服‥‥キャミソールだったが、を体に合わせられた
「 あら 似合うわぁ〜 」
明らかに男性の、店員の感想である
同じペイズリー柄の色違いで悩んでいるようだ
「 あの、ねぇ‥‥シニー 」
「 この子すっごい美人ねぇ〜 カレシ? カノジョ? 」
「 どっちかてぇと“バービー”ちゃん、だけど 一応カレシ
なので、ピンクを着せたいところだが、やっぱグリーンかな? 」
「 一応‥‥? 一応って‥‥ 」
リオカードは思考停止状態
「 ブラウニーピンクだし、いいんじゃなぁい〜 」
と、店員はピンク系の方を指す
「 グリーンがよければ、ミントグリーンのロングカーディがあるわょ 」
おネェの店員が、チュニック丈のサマーニットカーディガンを持って来る
シュレは即座にラメ入りのフード付きの方を選んだ
「 パンツは‥‥カーゴパンツ
濃いめのベージュかライトブラウン 」
「 サイズは? 」
「 ん? 」
2人に訊かれて、ようやくリオカードは我に返る
事の成り行きが判ったようだ
「 ‥‥シニー どういうこと? 」
「 別に? 」
「 もしかして ‥‥女の子の服じゃない? 」
「 あら、今どきの男子はそんなこと、気にしなくていいのよぉ〜
サイズが合って似合ってれば、全然ヘーキ 」
と、あっさり説得される
シュレは軽く笑って取り合わない
「 さっさと着替えて来い 」
奥のフィッテングルームに押し込まれた
おネェさんがサイズの違うパンツを何本か渡しに来た
「 合うのを穿いてね♪ 」
リオカードは言われるがまま、従うしかなかった
変な感じではある けれど不快ではないし、ちょっと楽しくもある
着替え終えたころ、サンダルが運ばれて来た
ジュートヒールでメッシュの白いサンダルに、レースの小花があしらってある
これもぴったりと、足に合ったが‥‥ なんで花付き?
さすがにちょっと目眩がするようだ
さて、ノリで着替えたのはいいが、出て行くのがなんとなく恥ずかしい
ためらっていると、今度はおネェさんに引っ張り出された
「 シュレ! 見て頂戴 」
おネェさんは自分の手柄のように自慢する
シュレは黙って近寄って来て、あちこち着こなしを直す
胸元がずい分開いているのでリオカードとしては隠したかったが、カーディのジッパーは全開にして、インのキャミソールがよく見えるようにする
「 どうしたの、シニー 」
「 いや‥‥ 」
と、わざと否して
「 女の子ってのは、見ててあきねーなと思って 」
「 ああ‥‥ 」
リオカードも笑いながら応える
「 シニーもね 子供つくるんなら女の子にしなさいよ 」
「 無茶言え☆ 」
「 だって可愛いよ
叱るとすぐ涙ぐむし、抱きしめると柔らかいし
奥サンやカノジョの比ではないね 」
シュレにはその言い方のほうがおかしかったらしい
「 リオカード おまえもしやロリコンか? 」
「 ええっ(・・;) 」
地下駐車場に着く
「 ん〜 まあ、おまえ自身もちょっとロリっぽいし 」
大またに歩くシュレに、小走りになって付いて行きながら、若干憤慨した様子でリオカードが言った
「 どーゆー意味だょ それって‥‥ 」
「 ある意味、ナルシストなのかも? 」
「 はい〜? なんでそうなるの?? 」
シュレはリオカードの疑問も当惑も、当然のように無視する
が、リオカードの装い‥‥濃いブルーグレーのハイネックのシャツブラウスに同色系のパンツ、シルバーの丈の長いジレ‥‥に眼を留める
昨日もこんな恰好だったし、似合わないとは思わないが
肌の露出を少なくし体の線が出ない装いに、エイジャリーナと同じ慎みを感じる
でも、汗ばむほどの陽気なのに、長袖シャツに上着着用とは、いったい?
「 調度いい 本部に行く前にちょっと付き合え 」
「 なに‥‥? 」
シュレのバイクにタンデムで、Istanbul市街へ向かう
Cumhuryet Caddesi(大通り)へ入り、司令本部ビルの前をあっさり通り過ぎた
ある路地を曲がって、こじゃれたショップの前で止まる
シュレが慣れた様子で店に入ると、顔なじみらしい店員たちが挨拶した
American POPが流れ、キッチュでおしゃれな内装
80'sな雰囲気の店である
リオカードは珍しそうに遠目で眺める
決してきょろきょろしない辺りに、育ちのよさが伺えた
シュレは何気なく、服を選んでいる が、彼の物とは到底思えない
「 ‥‥シニー? 」
彼の目的がわからない さっきからなんだか無視されっぱなしだし‥‥
リオカードが不安を感じる頃、ようやくシュレがこちらを見た
指で“来い”と、呼んでいる
判らないままそばに寄ると、選んだ服‥‥キャミソールだったが、を体に合わせられた
「 あら 似合うわぁ〜 」
明らかに男性の、店員の感想である
同じペイズリー柄の色違いで悩んでいるようだ
「 あの、ねぇ‥‥シニー 」
「 この子すっごい美人ねぇ〜 カレシ? カノジョ? 」
「 どっちかてぇと“バービー”ちゃん、だけど 一応カレシ
なので、ピンクを着せたいところだが、やっぱグリーンかな? 」
「 一応‥‥? 一応って‥‥ 」
リオカードは思考停止状態
「 ブラウニーピンクだし、いいんじゃなぁい〜 」
と、店員はピンク系の方を指す
「 グリーンがよければ、ミントグリーンのロングカーディがあるわょ 」
おネェの店員が、チュニック丈のサマーニットカーディガンを持って来る
シュレは即座にラメ入りのフード付きの方を選んだ
「 パンツは‥‥カーゴパンツ
濃いめのベージュかライトブラウン 」
「 サイズは? 」
「 ん? 」
2人に訊かれて、ようやくリオカードは我に返る
事の成り行きが判ったようだ
「 ‥‥シニー どういうこと? 」
「 別に? 」
「 もしかして ‥‥女の子の服じゃない? 」
「 あら、今どきの男子はそんなこと、気にしなくていいのよぉ〜
サイズが合って似合ってれば、全然ヘーキ 」
と、あっさり説得される
シュレは軽く笑って取り合わない
「 さっさと着替えて来い 」
奥のフィッテングルームに押し込まれた
おネェさんがサイズの違うパンツを何本か渡しに来た
「 合うのを穿いてね♪ 」
リオカードは言われるがまま、従うしかなかった
変な感じではある けれど不快ではないし、ちょっと楽しくもある
着替え終えたころ、サンダルが運ばれて来た
ジュートヒールでメッシュの白いサンダルに、レースの小花があしらってある
これもぴったりと、足に合ったが‥‥ なんで花付き?
さすがにちょっと目眩がするようだ
さて、ノリで着替えたのはいいが、出て行くのがなんとなく恥ずかしい
ためらっていると、今度はおネェさんに引っ張り出された
「 シュレ! 見て頂戴 」
おネェさんは自分の手柄のように自慢する
シュレは黙って近寄って来て、あちこち着こなしを直す
胸元がずい分開いているのでリオカードとしては隠したかったが、カーディのジッパーは全開にして、インのキャミソールがよく見えるようにする
更新日:2011-05-13 18:23:05