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ドームの上の十字架は、祈りのために立てたのだという。
やがて、七番目の子供が、完全に回復したら故郷へ帰れる・・・。
それは、すぐだ。
広いドーム内を見渡すと、そこは、かなり深く砂に埋もれていた・・・。砂上に、何か船のバウのようなものが突き出ているのも見えた。多くの機材をキャンプに持ち込んだようだ。
球体の宇宙船は、多少壊れていたが、プログラムさえきちんと組めば、帰路につくことが出来る。七番目の子供は、コンピュータ・ジニアスだから、彼が元気になれば、それは可能だ。マスター・プログラムが回復すれば、ロボットも動き出し、砂に埋もれた宇宙船内部から、砂を掃きだすこともでき、宇宙船は再び飛び立てる・・・・・・・・・・。
それが分かると、私と、モアナと、ミスター・アイフラワーは、PELDOLATHを倒すためのクエストに再び出発した・・・・・・・・・・。
われわれの飛行ユニットは、いくつかのレーザー砲を備えている。
それで、PELDOLATHを倒すことができるかもしれない・・・・・。
砂漠は限りなく続く・・・。
PELDOLATHは突然、地中から砂漠を割って、我々の飛行ユニットの前に、その巨大な姿を現した。その圧倒的力で、ユニットは弾き飛ばされた。レーザー砲は全く役に立たなかった。
我々は、PELDOLATHに追われ、逃げるだけでやっとのことだった。
そこに、巨大帆船が現れた。無人で動く帆船だ。
その帆船を動かしているのは、ロボットのようだった。
帆船・・・・・・・? そうだ、私は、その帆船が、子供たちのドームの中にあったものだ、と思い出した。バウに見覚えがある。
おそらく、あの帆船は、彼らの子機なのだ。
七番目の子供が回復して、コンピュータのプログラムを組みなおしたのだ!
コンピュータ・ロボット制御の巨大帆船は、PELDOLATHに鎖を放ち、PELDOLATHを捕まえた。そして、宇宙のはてに去った。巨大怪物は再び、宇宙の彼方に放逐された。
七人の子供たちが我々のところにやってきた。
七番目の子供は、それを「お礼」だと言った・・・・・。
ミスター・アイフラワーの選んだ道は、間接的に正しかったのだ。
いや、ベストの道だった・・・・・・・・・・。
そのように、我々のクエストは終わった。
(サルバトーレ・メイヨーによる告白ノート・了)
更新日:2011-02-26 14:14:53