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双子美少女と死神

「きゃあああ!!」
夜の道を、一人の女性が走っている。何かから逃げているのだ。それを追いかける影。


「へっへっへっ…。」影は女性との距離を詰め、飛びかかった。しかし…。


(ズバッ!)一振りの刀が影を切り裂いた。


弦の(龍尾)である。


「大丈夫ですか?」
弦が振り向くが女性はもういなかった。


「………。」弦は苦笑いをして龍尾を納めた。


「今日も小物でしたな。」秀虎が呟く。


「そうだね。あの魔物以来全然出てこなくなったね。」弦が微笑む。


こうして今日も平和に終わるかと思えたが、


「!?」突然、目の前を一つの物体が走り抜けた。一瞬であったが、とてつもない邪気を持っていた。

「弦殿!!」「うん、あれは多分魔物だね。行ってみよう。」二人は急いだ。


道を曲がると、その物体(影)がもうスピードで走っている。弦達も走るが追い付けない。


影が曲がり角を曲がった。弦と秀虎も追って曲がり角を曲がる。


「!?」そこで弦は衝撃の光景を目の当たりにした。


なんと、さっきの影と思われる物体が八つ裂きになって転がっていたのだ!!


弦は周りを見渡す。
まだ、この物体を八つ裂きにした張本人が近くにいるはずだ。


弦は一瞬、上から気を感じた。


日本刀のように凛とした気と、「紅」の一文字が合うような荒々しく、かつ、繊細な気だ。


「そこか!?」弦は上を見た。


電柱の上に二人の女性と思わしき人物が立っていた。


その人物はこっちを見た。月の逆光で顔が見えない。


二人は顔を合わせると、電柱を飛び伝って消えた。


「…忍者かよ…。」弦は心の中で呟き影の残骸を見た。


とんでもなく異様な姿の魔物が八つ裂きにされているのだ。見た目は決して良くない。


「…あっ遺体回収班を呼ばなくちゃ…。」弦は携帯を出す。


「ん?」ふと、電柱の根元に目がいった。


月明かりで何かが光っている。弦はその光の根元を拾う。


「勾玉…。」弦が拾ったのは、白の勾玉のペンダントだった。日本の勾玉って言うより、韓国の勾玉っぽい。


「あの二人の落とし物?」とりあえず拾っといた。


そのあと遺体回収班を呼び、家に帰った。










因みに皐月は新技の訓練をしていて、
渚は林檎を食べていた。

更新日:2011-12-28 18:16:45

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