官能小説

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 撮影はその週の土曜日に決めた。理由は週間の天気予報が晴れだったことと、風が無くてポカポカ陽気になりそうだったからだ。いくら初夏とは言え、まだまだ半袖のワンピースだけで1日中屋外にいるのは肌寒い。
「うお~~~~ッ、可愛い、可愛い! 拓夢ちゃん、可愛いな~~~!」
 新入部員の佐保の化けっぷりは予想外の可愛さだった。ウィッグを付けて薄化粧し、白いワンピースを纏った姿は本物の少女にしか見えない。しかも、すこぶるつきの美少女だ。他の部員たちも同感だったらしく、脱衣所代わりに使わせて貰ったログハウス風のトイレから出て来た佐保を見て、みんなは目を丸くした。
「こりゃあ、須崎も騙されるかもしれないぞ」
 ウシシと笑いながら言うと、高科が「まさか」と言って笑う。
「まがりなりにも付き合ってるんですよね。さすがにわかるんじゃないですか?」
「いやいや、あいつもまだまだ青いからなあ」
 佐竹はニタニタ笑いながら答えると、「ま、俺は1度抱いた相手なら腰のラインだけでわかるけどな」と付け加える。すると、それを傍で聞いていた細川が「さすがに1度抱いたくらいじゃ無理じゃないですか?」と言って笑った。
「俺も今のと付き合い始めて5年になりますけど、最近ようやくですもん。渋谷のハチ公前で待ち合わせてもすぐに見付けられるようになったの」
 女って会うたびに服装は違うし髪形も違うし化粧も違うしバッグも違うし、と続ける細川の顔を、佐竹はあんぐりと口を開けて見詰める。
「いや~、まさか電脳オタクの細川とボーイズトークが出来るとは思わなかったわー」
 ちょっと感心して言うと、細川は心外そうにフンと鼻を鳴らして笑った。
「そういう部長は、口で言うほど女性遍歴は無いですよね」
 ズバリと言われて、佐竹はフフンと負け惜しみに笑う。
「何を言うか。一穴主義よりは多いぞ」
 佐竹の言葉に、細川がニヤリと笑って話を打ち切る。その余裕の笑みに、佐竹は不本意ながらも敗北感を否めなかった。

 遅れて来た須崎も合流し、撮影は半日で終了した。本当は1日掛けるつもりだったのだが、佐保の足が慣れないサンダルに悲鳴を上げたのだ。撮りたい画は撮れたし、音も拾えし、後は編集で何とでもなる。後は細川と丸山が今日撮った映像をDVDに編集し、学内で売りさばくだけである。DVDは2枚組で、1枚は普通のデートもの、もう1枚は裏ビデオ仕様になっている。前回の須崎の『蕎麦打ち』は女子の間でかなりの好評を博し、未だに時折注文が入る。今回のDVDも、下馬評だけでかなりの売り上げが予想された。
「そうと決まれば、早く着替えろよ。まだ半日あるから、ついでに遊んで帰ろうぜ」
 須崎が佐保をデートに誘い、朴念仁の珍しく気の利いた発言に佐竹は(お?)と目を丸くする。素早く他のメンバーに目くばせすると、すぐに細川と丸山が「どれ」と言って立ち上がった。
「俺たちもここで引き上げますかね」
「エッ?」
 他のメンバーも一緒に遊んで行くのだと思っていた佐保が、驚いたように目を丸くする。しかし、須崎はあからさまに嬉しそうな顔をした。この男のポーカーフェイスは、こと佐保に関する時だけその仮面がベロベロと剥がれる。
「それと、資金調達のメドは立ちましたから、部長は早いとこ映画の台本を頼んできてください。これはあなたにしか出来ないことなんですからね、部長?」
 ここぞとばかりに細川にクギを刺され、ついつい後回しにしていた佐竹は「仕方ねえなあ」と言って立ち上がる。
「高科、今日はサエはいるのかあ?」
 わざとのんびりした声音で尋ねると、高科は途端にパアッと笑顔になって「いますよ~!」と嬉しそうに答えた。
「なんだ、いるのか。しょーがねえなぁ」
 佐竹は溜息混じりにそう言うと、機材が入ったバッグを肩に提げて出口に向かう。サエに会うのは1年振りだ。嬉しいような怖いような、実に複雑な気持ちだった。

更新日:2011-04-18 00:55:37

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