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リラっ子
リラっ子
次の日も、二人で肥料を撒いた。
「後は、雑草がはびこらないように気を付けるんだって。
除草剤はあまり好ましくないって」
「お隣さんが除草剤を撒いたら、作物も枯れたって言ってたね」
と、トミーは笑った。
「でも、奥さん、言ってたけど、とても手間なんですって。
ね、あの木はなんと言う名前?
初めに耕す時、残したじゃない?
名前あるんでしょ。
あの白い小さな花が一杯付いている背の低い木」
「リラだ」
トミーは変な目つきでサチスを見ながら答えた。
リラはライラックとも言う。
この花を現場に残すので、トミーのセカンドネームになっている。
サチスは機械から降りて、その木の近くには、スコップで肥料を撒いた。
サチスの足元から、小さな蛇が慌てて逃げて行った。
何気なく蛇が出て来た木の根元を見た。
そこに、赤いつぶらな目が覗いていた。
すぐに白い鼻面も現れ、丸い左右の耳を振りながら、蛇の去った方を覗いている。
目を上げて、サチスに気が付くと、慌てて穴の中に消えた。
ちらっと丸い尾が揺れた。
這いつくばるようにして覗き込むと、
どうやら二匹居て、寄り添って震えているようだ。
次の日も、二人で肥料を撒いた。
「後は、雑草がはびこらないように気を付けるんだって。
除草剤はあまり好ましくないって」
「お隣さんが除草剤を撒いたら、作物も枯れたって言ってたね」
と、トミーは笑った。
「でも、奥さん、言ってたけど、とても手間なんですって。
ね、あの木はなんと言う名前?
初めに耕す時、残したじゃない?
名前あるんでしょ。
あの白い小さな花が一杯付いている背の低い木」
「リラだ」
トミーは変な目つきでサチスを見ながら答えた。
リラはライラックとも言う。
この花を現場に残すので、トミーのセカンドネームになっている。
サチスは機械から降りて、その木の近くには、スコップで肥料を撒いた。
サチスの足元から、小さな蛇が慌てて逃げて行った。
何気なく蛇が出て来た木の根元を見た。
そこに、赤いつぶらな目が覗いていた。
すぐに白い鼻面も現れ、丸い左右の耳を振りながら、蛇の去った方を覗いている。
目を上げて、サチスに気が付くと、慌てて穴の中に消えた。
ちらっと丸い尾が揺れた。
這いつくばるようにして覗き込むと、
どうやら二匹居て、寄り添って震えているようだ。
更新日:2010-12-29 15:34:44