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小説

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ライダー登場

その晩、夢に出て来た。床がマス目で、一本だけ青黒い大きな柱が立っている。幼い頃にもよ

く見ていた怖い夢だが、その時とは違っていた。とても高い柱の上が虹色に光っていて、その

柱が僕に近づいてくる。何が起こるか分からなかった。僕の前で急に柱が止まり少しずつ短く

なった。柱の上には虹色に光り輝く、ベルト状の物を持った女性が立ち、子供が毛布に素早く

抱きつくみたいに、僕を抱きしめた。 女性は僕の大好きなヒッキーさんだった。だが彼女は笑

顔ではなく、助けを求めている表情だった。何かメッセージを送ろうとしているのか、彼女とし

ばらく見つめ合った。そして僕の手を握り、虹色に輝いているベルト状の物を渡してくれた。僕

は、

「これは何だ。」

と尋ねたが、その言葉は全然通じなかった。

「そうか、ここは言葉が通じない空間なんだ。」

と思い、尋ねる事を顔の表情に込め、見つめた。すると思いが通じたのか、彼女は床のマス目

に手を伸ばし、何かを引き上げた。それは半透明で不格好な柱だったが、ただの柱ではない。

そこには誰かと戦う自分の映像があった。

「この柱に映っている自分は未来の自分。」

と思った。その未来の自分の背後には誰かがいる。はっきり見たが結局誰かは分からず映像

が乱れて見えなくなってしまった。

「あれは一体何なんだ。」

と思った。

 半透明の柱はゆっくりとマスの底へ沈んでいった。どうやら彼女は、誰かを守るために戦って

ほしいと望んでいるようだった。

「助けなければならない人物、それは誰だ。なぜ俺が戦わなければならないんだ。」

と心の奥で呟いた。すると彼女は僕の心を瞬時に読み取ったのか、心の声で返事が返って来

た。

「未来の私の命を救って…。」


「なぜ俺なんだ、俺じゃなくても。」

「あなたしかできない、その時の私を救えるのは。お願い、助け…。」


途中で声は途切れ、無数のカードが彼女を包み込みその場から消え去ってしまった。自分の

周囲には割れたカードが散乱していた。よく見ると、自分が今まで作ってきた、ガラスのように

煌めく、グラスカードだった。破片に触れた瞬間、青白い光を放った。

更新日:2010-11-26 20:53:03