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桜の下の出会い

それはまさに、春の出会いだった。

公園の桜は満開に咲き乱れ、仄かな香りを放ちながら空を覆い隠している。

花見にはもってこいだ。

しかしながら、辺りには先ほどから止む気配もなく、しきりに雨が降り注いでいる。

春の暖かな晴々しい雰囲気とは程遠く、厚い雲から落ちてくる雨に打たれて、気分はどんよりと曇っていた。


――朝はあんなに陽が出ていたのに…。


ぼくは憂鬱な気分になりながら、さす傘もなく、少しでも濡れないように近道をして帰ろうと、人気のない公園を走っていた。   




更新日:2013-02-28 22:27:03

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