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温度差

奏君と何するの?

なんか新曲のことで
アドバイスして欲しいって

はぁ?二人っきりで?
どこで?

僕は立ち止まった

奏君の部屋だけど。
。。。あ、俺明日の
準備してないや


流石に言葉をなくす
この人泊まる気だ。。。


何?ひなも来たいの?


キレそうになる。

何、何?
早速、喧嘩?

新が笑いながら
やって来て
リーダーの肩に組んだ


何で、二人っきりで
部屋で会うの?
俺だって昨日が
初めてだったじゃん?
何とも思わないの?

リーダーは
呆れた顔で
僕を見ると

お前、バカじゃない?

と吐き捨てるように
言って
新の腕を払うと
先に歩いて行った

バカは
そっちだろ!

僕の声に振り向く
こともなく
リーダーは
歩いて行った

奏君は
僕とは違うけど
リーダーのこと
昔から好きだった
僕だって
気持ちに気づいたの
最近なんだ
奏君だって
分からないじゃん?
何で、
分かってくれないの?


僕は
テレパシー送ってた
遠くなってく背中に


また、そんな顔!

新が溜め息混じりに
呟く

行くなよ!
とは言えないか。。

新は
ポンポンと肩を叩いた

お前も損な
性格だよな。
あの人も
自分の考え
曲げないとこあるし。

新がそう言って笑うから
つられて笑った
新に素直に話して
良かったと思う
少なくとも
独りで抱え込んでた
あの頃より
かなり楽だから


僕らは
歩きながら
リーダーの話をした
こういうとこ
あるよね!とか
あれはないよね!とか


控え室着いたら
リーダーは既に
着替え終わって
帰ろうとしてた


帽子深く被って
目すら合わせない


携帯が鳴って
見たらリーダーからの
メールだった

前からの約束だから
行くからね

簡単なメール

顔上げたら
リーダーが見てた
なんか
ムカついて
怒った顔して
横を向いた


じゃあ、お先!

奏君は
嬉しそうに
リーダーと
手を繋いで帰って
行った

リーダーは
口を尖らせて
歩いて行った


お前ら本当に
面白いね

新は笑ってた

面白くないよ!

そんな僕らに
声をかけてきたのは
国見ちゃんだった


ねぇ!ねぇ!ねぇ!ねぇ!

なんだよ、うるさいなぁ

僕は椅子に座りながら
国見ちゃんを見た

新も着替えながら
国見ちゃんを見てた


あのさ
今から言うことに
驚かないでよ!


だから、何なの?

新が少し
苛ついてた


リーダー
彼女いるでしょ

僕は新と顔を
見合わせた


何でそう思うの?

新は着替えるのやめて
僕の隣に座った

国見ちゃんは
前のめりになって
目を見開き言う


今から言うこと
絶対内緒だからね!
それと引かないでよ!

ドキドキした
国見ちゃんのことだから
勘違いとかだと
思ってるけど
彼女がいるの?と
リーダーに
訊いてはいないから
少し不安になった

更新日:2011-01-31 23:39:33

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