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5.それぞれの想い


「結婚式、どうだった?」
 連休明けの木曜日、久しぶりに会った理子に志水はそう言った。
志水の言葉を受けて、理子は少し照れくさそうな顔をした。
「無事、滞りなく済みました」
「何処でやったの?」
「横浜よ」
「横浜って言うと、神奈川県の県庁所在地だね。歴史的にも色々とあった場所だ」
「そうね。文化的な建物も多いし、雰囲気のある街のせいか、女の子には人気よね」
「理子はどうなの?やっぱり、横浜は好き?」
「大好きよ。高校生の時は友達とよく遊びに行ったし」
「じゃぁ、詳しいんだ」
「う~ん。詳しいと言う程でもないけど、まぁ、有名どころは
大体知ってるかな、って程度だと思う。案内してとか、言わないでね」
 理子の言葉に、志水は笑った。先に牽制されてしまった。
「言おうと思ってたんだけど、先に断られちゃって残念だね」
 先を続けようとしたら、愛理達がやってきた。
「理子、志水君、おはよう!理子、結婚式はどうだったの?」
 興味津々と言った顔をしている。
「うん。今志水君にも言ったんだけど、無事に問題なく終わりました」
「あら。そんな答えを求めてるんじゃないんだけどな。
あ~、私も参加したかった。理子の花嫁姿を見たかったもの。
旦那さんも、さぞカッコ良かったんでしょうね」
 両手を握りしめてうっとりしている。
「私も見たかったわ。写真、今度見せて貰えると嬉しいな」
 と、美香が言った。
「式は、何式だったの?」
「教会式」

更新日:2010-11-11 11:11:05

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