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§(7),花火


   §(7),花火


 次の日、朝から快晴で絶好の花火日和。
俺の朝練の立ち木打ちも力が入る。
 夜になり、海の家やまてつの前で花火開始。
来た女の子は昨日の昼に会った三人。
服装はTシャツやジャージや短パンとか色々。
まだ見ぬもう一人は、シフトの関係で少し遅れて来ると言うことで先に開始した。
 板四枚を井の字に組んで、お皿に立てたロウソクを中に置く。
そして、マッチで火を点ける。
これで、準備オーケー。
ロウソクの炎が風でゆらゆら揺れている。
 全員揃ってから、打ち上げや派手なヤツをすると言うことで、まずは手に持ってショボショボと火が出る線香花火から。

「 線香花火、懐かしいねぇ。」
「 そう、懐かしいねぇ。」

昨日の昼に普通と言っていた“洋子ちゃん”と、荷物番をしていた華奢な感じの“ユリちゃん”が顔を見合わせる。
そこに、シロクマの“トヨミぶ~”が乱入する。

「 いっぱいあるから、両手で六本だァ~。」

左右の前足に三本ずつ持って、手っ取り早く線香花火を終了させ、次に行こうと言う魂胆か・・・。
 みんなで輪っかになって、線香花火の輪を作る。
そこに、山上のオヤジギャグ。

「 花火で一番にするのは線香花火。
先行するから、線香花火って!!」

“ し~~~ん・・・・・。”

山上が辺りをキョロキョロ見回す。

「 ん・・・、えっと・・・・・。」

小島クンがオヤジギャグを無視して袋から二番手を出す。

「 次は、これだァ~!」

30cmぐらいの筒状のヤツ。
線香花火より大きくなった。




更新日:2010-12-18 22:52:13

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過ぎ去った季節の中に  ~2,潮騒の夏~