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光と闇の魔導士

・・・《浅野 光喜》・・・


―――『フレア』!!!

俺は真っ赤な炎を右手に宿し、それを黒い鎧を着たアルマジロのような魔物、【鎧アルマジロ】にぶつける。一気に燃えて上がる鎧アルマジロ。

魔物を倒したことによって、G.Gに戦闘結果が表示される。
俺はそれを日課のように、すぐに目を向ける。

やっとレベルアップか。

それにしてもなかなかおもしろいゲーム、いや、おもしろい世界だ。
これがゲームなんて誰が信じる?

一瞬だけだが、リアルな痛みも感じる。
味覚も、聴覚も、視覚も・・全ての感覚がゲームに来る前の世界とほぼ同じだ。

そして、驚くべきはこの魔法のような力。

俺たちプレイヤーは、レベルアップに応じて、元の世界では無かった、いわゆる超人的な力を手に入れることができる。

それだけじゃない。
スキルカードをはじめとした数々のカードを使って、魔法のような技やアイテムを使うこともできる。

・・・俺が望んだとおりの素晴らしい世界。期待以上のゲームだ。

俺の職業は“見習い魔法使い”。
気に食わないわけじゃないが、やはり、見習いと言うのはどうかと思う。

だが、この職業のおかげなのか、俺はスキルカードを使わなくても、小規模の魔法は使える。炎や氷、風の魔法や小さな物を宙に浮かばす魔法・・本物の魔法使いになったと言っていいだろう。

更新日:2011-01-04 19:46:46

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