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傷ついた心

夏休み中盤からは、千鶴の大会が週末に集中する為、一週間土方の自宅で生活する事になった千鶴。



居合もサーフィンも休みたくはなかったが、妻として夫を支える事を優先したのだ。(傍目から見たら歳の離れた恋人同士だが)



週半ばまでは、仲睦まじく過ごしていた。


朝食を作り、送り出し、家事をこなし宿題もやり、夕食を作り待つ。



事件は木曜の夕方に起こった。




土方が帰るにしては早い時間に、玄関のチャイムが鳴った。


千鶴が玄関を開けると、見知らぬ女性。


「貴女誰?」見知らぬ女性が千鶴に問う。


「あの・・・どちらさまでしょう?」


「私?私はトシの彼女。」


(彼女?!)


千鶴はパニックを起こす。

確かに一ヶ月と言う短い期間であるが、千鶴は確かに土方の妻だ。


しかし目の前にいる女性は土方の彼女と言う。



「全く、トシにも困るわ。浮気して。どうせ私の所に戻ってくる癖に。」


意地の悪い笑みを浮かべながら女性は言い放つ。


千鶴はその女の嘘も見抜けない程狼狽した。


そこから先の事は、千鶴にも思い出せなかった。


その女性が上がりこんできたので、千鶴は咄嗟に自分のバックを持ち、家から飛び出してしまった。



なんとか千鶴は海辺の自宅に着き、当座の荷物を纏め、担任に適当な理由をつけて許可を得て、寮の空き部屋に入った。




更新日:2010-12-16 15:43:46

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