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始まりの記憶

幼い頃からよく見る夢。

知らない場所。

女なのに男の格好をしている私。

掃除や洗濯や沢山の縫い物の山。

そして・・・

「千鶴、茶を煎れてきてくれ。」

ぶっきらぼうだけどどこか優しさを含んだ声。


私は、その声を聞き、嬉しく思いながら厨へと急ぐ。

「失礼します。お茶をお持ちしました。」

おう、入れ。と聞こえると、障子を開ける。






辛い夢や悲しい夢も沢山見る中で、この夢や、女性の格好をしてこの人の隣に立つ夢は、たまにしか見れないが幸せな気分に包まれる至福の時だった。



更新日:2010-10-10 17:04:02

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